みんな大好き「チョコレート」美味しいだけじゃない!キレイと元気に磨きをかける嬉しい成分がたっぷりありました!
バレンタインが近づくと、たくさんのチョコレートが店頭に並び、見ているだけでワクワクしてしまいます。
チョコレートは甘くて美味しいスイーツですが、高カロリー、高脂肪、お砂糖もたっぷり・・・なので、ダイエットや健康を考えると、心配になる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、カカオポリフェノールのような、体に良い成分が入っていると聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
今回は、チョコレートの秘密についてお話ししたいと思います。
昔は苦い薬だった?! チョコレートの歴史
チョコレートの原料となるのは、皆さんご存じのとおり、カカオ豆です。
カカオ豆は、古代メキシコでは「テオブロマ(=神の食べ物)」と呼ばれ、貴重なものとされていました。
その後、16世紀ごろのメキシコで炒ったカカオ豆をすりつぶして飲むようになりました。
いわゆるホットチョコレートのようなものですが、当時は砂糖やミルクは使わずに、トウモロコシの粉やトウガラシなどを加え、不老長寿の薬として飲んでいました…もちろん、かなり苦かったようです。
その後ヨーロッパに渡って、苦味を消すために砂糖やミルクが使われるようになり、17世紀後半にはイギリスで甘いチョコレートドリンクが開発され、当時の貴族たちの間で大流行しました。
お菓子用の固形のチョコレートが出来るのは、さらに時間を要し19世紀に入ってからになります。
実は、チョコレートは薬として用いられてきた期間の方が長いのです。
日本に伝わってきたのは、江戸時代後期の長崎で、当時の目録などに「しょくらあと」「しょくらとを」などという記録が残っているそう。
初めてチョコレートを食べた日本人は、そのおいしさにびっくりしたのでしょうね。
心も体もケアするチョコレート
長い間、薬として用いられてきたチョコレート。
もちろん、体にとってうれしい成分がたくさん含まれています!
カカオポリフェノール
チョコレートにはたくさんのポリフェノールが含まれていますおり、赤ワインや紅茶よりも高い抗酸化活性があることが報告されています(出典:Asian Journal of Food and Agro-Industry 2009 Vol.2 No.4 pp.702-722 ref.62)。
乾燥したカカオ豆の重量の12~18%がポリフェノールで、カテキン、アントシアニン、プロアントシアニジンなどさまざまなグループのポリフェノールが含まれているのが特徴で、高い健康効果が期待されます。
カカオポリフェノールは免疫機能を調整することも報告されています(出典:Cellular Immunology Volume 177, Issue 2, 1 May 1997, Pages 129-136)。
風邪が気になる今の季節にもぴったりですね。
テオブロミン
テオブロミンは、自然界ではほぼカカオのみに含まれるアルカロイドの一種で、チョコレートやココアの苦味成分です。
テオブロミンは、カフェインに似た働きを持つ成分で、血管を拡張させて血流量を上げ、体温を上昇させる働きを持ち、更に脳内物質のセロトニンに働きかけて、食欲を抑えたり、心をリラックスさせたりする作用が報告されています。
テオブロミンはカフェインよりも人体に望ましくない影響が少ないといわれ、注目を集めています(出典:Front Pharmacol. 2015 Feb 20;6:30)。
GABA
ギャバは、正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸といい、動植物の体内に広く存在し、チョコレートの原料カカオにも含まれています。
血液脳関門通過し、脳内に存在する神経伝達物質で、リラックスに役立つといわれているアミノ酸の一種です。
実際に、GABAを豊富に含むチョコレートを用いた試験では、GABAには心理的ストレス軽減効果があると示唆されています(出典:Int J Food Sci Nutr.2009;60 Suppl 5:106-13)
オレイン酸
ココアバターに含まれる、不飽和脂肪酸のひとつです。
オリーブオイルやごま油などに含まれている成分で、悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げてくれる働きが認められています。
その他にも、チョコレートにはビタミンやミネラル、それから食物繊維も豊富に含まれているのです!
チョコレートと上手に付き合うために
チョコレートには私たちの美容や健康に役立つさまざまな成分が含まれていますが、甘くて美味しいチョコレートには糖分が多く、体に良いカカオの含有量が少ない傾向があります。
一般的なカカオの含有量は、ミルクチョコレート:20~40%、ダークチョコレート:50%前後、ハイカカオチョコレートが70%以上となっています。
チョコレートという名前はついていても、ホワイトチョコレートにはカカオが含まれていませんので、気をつけてくださいね。
美容や健康目的でチョコレートを食べるなら、カカオの含有量が70%以上のハイカカオチョコレートを選びましょう。
また、ハイカカオチョコレートを選んだとしても、チョコレートはカロリーの高い食品です。
厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」では、菓子・嗜好品の目安量は1日200kcal程度とされています。
チョコレートのカロリーは100gで551kcal(ミルクチョコレートの場合。日本食品標準成分表2020年版(8訂)より)ほどあるので、食べ過ぎには注意が必要です。
1日に食べる量としては30~40g程度におさめるようにしましょう。
良質なチョコレートをゆっくりていねいに味わって、チョコレートの芳香と、とろける舌触りをじっくり楽しんでくださいね。
チョコレートは吸収がよく、満腹感を得られるのが早いため、少量で満足感を得られるはずです。
今は一年で最もたくさんのチョコレートを目にする季節。
美味しくうれしい成分が豊富なチョコレートを食べて、キレイと元気に磨きをかけたいですね!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]