もしかして臭う?マスクは手放せない?口臭の原因やケア方法について歯科医師藤本先生に伺いました!

いざマスクを外すとなったら…ちょっと気になるのは口臭。
今回は、株式会社ToothToothの歯科医師 藤本侑里先生に口臭の原因やケア方法についてお伺いしました。

口臭対策には、まずは原因を知ることが大切!

口臭の原因が何かによって、ケアの仕方は異なります。
口臭の原因は大きく分けて4つあります。

(1)口腔内の病気(むし歯、歯周病)
特に歯周病は口臭の原因とされることが多いです。
歯周病の原因菌により発生する硫化水素(腐った卵のような臭い)やメチルメルカプタン(腐ったタマネギのような臭い)が口臭の原因となります。
歯周病に罹患(りかん)しているかどうかをまず歯科医院で歯周病検査をしましょう。
歯周病の程度により、治療は様々です。
自宅で歯周病にならないようにケアするためにも、適切なブラッシングが不可欠です。

(2)全身の病気が原因
全身のどの部分に原因があるかによって口臭は様々です。
呼吸器や消化器系に問題がある場合は、タンパク質の壊疽臭(えそしゅう)がすると言われています。
糖尿病だと口臭からアセトン臭、肝臓の病気だとアンモニア臭がすると言われています。

(3)食べ物が原因
ニンニク、ニラ、ネギなど臭いの強いものを摂取することや、アルコールや喫煙により一旦体内に取り込まれた臭いの物質が、胃の中で消化され血液を介して全身に循環し、肺を経由して吐き出されます。
歯みがきをしても、ニンニクを食べた次の日は口臭がしてしまうのは、こういう風に原因物質が全身を巡るからなんですね。

(4)生理的口臭
生理的口臭とは、起床時や空腹時に口臭がすることがあります。
また女性の場合、生理中やその前後にホルモンバランスの影響で口臭を感じることがあります。

セルフケアにより、(1)や(3)は改善、予防することができます。
歯周病の原因となる細菌は、歯垢や歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの隙間が大好きです。細菌除去のために、歯ブラシ、フロスを正しく丁寧に行うだけでなく、舌ブラシによる舌のお手入れも大切です。
舌の表面が白くなっていたり、茶褐色になっていないか確認してみましょう。

口臭のセルフケア

歯ブラシだけでは、丁寧にブラッシングをしても完璧なケアは難しいといえます。
口臭ケアとして、おすすめの追加アイテムがフロスや舌ブラシです。
フロスを使用する際は、フロスを歯と歯の間にパチンと挟んだ後、すぐに抜いてしまうのではなく、歯に沿わせるようにして前後に動かし、歯面の汚れを掻き出すことが大切です。
次に使う順番も重要です。
フロス→歯ブラシ→舌ブラシの順番で使ってみましょう。
フロスで掻き出した歯垢を、歯ブラシで綺麗にし、仕上げに舌ブラシにより舌の汚れを除去するイメージで行うと良いでしょう。
食事で気をつけることとしては、大切な人と会う前などは、臭いのキツイ食事は摂取しないこと。
唾液のケアとして、マウスウォッシュやマウススプレーも、一時的にではありますが効果はあります。
唾液自体に、消化作用や抗菌作用、自浄作用があります。
唾液が不足しないように、よく噛み、よく笑い、お口の周りの筋肉を鍛えてみましょう。

セルフケアで改善しない場合は、受診を

歯垢が歯石となってしまったり、歯周病が進行している場合は、残念ながらセルフケアのみでは改善できません。
このような場合は、歯科医院で歯石の除去や歯周病の治療が必要となります。
また、プロの目で定期的に歯周ポケットを計測し歯周病に罹患していないか判断してもらうことや、セルフケアが正しくできているかプロの目できちんと診てもらうことはとても大切です。
是非、歯科クリニックを定期的に受診してくださいね。

マスクを外した時に綺麗な息、綺麗なお口元でいられるよう、今から皆さんも正しくケアを始めましょう。

執筆者

藤本侑里先生
歯科医師

[経歴]
岡山大学歯学部卒
日本歯科保存学会所属 認定医
日本小児歯科学会所属
株式会社ToothTooth
関西の歯科医療法人にて勤務
現在は2児の母でありながら歯科医師として、臨床現場と歯科医療の啓発活動を行っています。
Instagramで子育てや歯に関するお役立ち情報を発信しています。

Instagram:子育て真っ最中!歯科医師2児ママ
@mama_haishasan

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