口臭や口元が気になる。マスクを外す時期だから考えたい口元のケアについて歯科医師の安部先生に伺いました!

マスクを外す機会が増えてくると、口元の状態や口臭など、いろいろなことが気になりますね。
今回は、マスクを外す時期だから考えたい口元のケアについて、一般社団法人日本口育協会理事長で歯科医師の安部秀弘先生にお話を伺いました。

マスク生活の中で口呼吸が増えていませんか?口呼吸のデメリット

マスクをしてる間は、息苦しさから口呼吸が増えてしまっている可能性があります。
口呼吸は虫歯や歯周病を悪化させてしまうので、マスクをしてる間に口腔内の環境が悪化していて虫歯ができていたり、歯周病が悪化してることも考えられます。
マスクを外すと同時に、一度歯医者さんで口腔内の点検チェックやクリーニングを受けると良いかもしれません。
特に子供の場合は口呼吸によって顎の発育に影響し、歯並びが悪くなってしまう場合があります。
乳歯であれば歯の間に十分な隙間があるか、上の前歯が下の前歯に被ってしまっていて下の前歯が見えなくなっていないか、歯医者さんで見てもらうことをおすすめします。
また、顎の発達不足は口腔容量を低下させ気道を狭くして、いびきなどの睡眠時呼吸障害の原因になります。
特に就寝時に口を開いてる状態は口腔機能の発達に良くありません。口呼吸が常態化している場合は注意が必要です。

マスクを外すと口元が気になる…という人におすすめのトレーニング

マスクを外して会話することが増えることによって口元が気になり、矯正を考えている方も多いのではないでしょうか?
歯科医院の方針にもよりますが、矯正治療を受ける際に歯並びが悪くなった原因である、口腔機能の問題についても舌のトレーニングなどで回復しておくと、矯正後の後戻り防止効果や、心身の不調の改善に繋がることもあり、重要です。
特にマスクをしてる期間に口呼吸が常態化してしまっている場合は口腔機能が低下してる可能性があります。
MFT(マイオファンクショナルセラピー:口腔筋機能療法ともいい、舌の位置や嚥下能力などを改善するために口の周りの筋肉のバランスを整え、維持していくことを目的とした治療方法)や表情筋のエクササイズなどをおこなって、口腔機能の改善しておくと良いでしょう。
MFTは通院しなくても単独でおこなうことができます。
動画共有サイトなどで検索すれば舌回しなどのトレーニング方法がたくさん出てきますので、チャレンジしてみてください。
口呼吸は口輪筋を弱めてしまい口元の引き締まりも無くなってしまっているので、見た目の改善の上でも重要になります。

マスクを外すと、やっぱり気になるのは口臭

口臭はお互いにマスクをすることで相手は感じにくくなっていましたが、マスクによる口呼吸の常態化は口臭を悪化させていると考えられます。
歯科医院における手入れと共に口臭ケアについて一度見直しをする機会にしても良いかと思います。
口腔内から発せられる口臭の多くは舌の汚れから発生してるので、舌磨きは重要です。ブラシでおこなうよりスポンジのようなタイプのものの方がしっかりと汚れが取れると同時に舌を傷つけず、汚れ具合も確認ができます。
その他マウスウォッシュを使うなら口臭の原因となる物質である硫化水素を中和できる塩化亜鉛の入ったものが良く効きますのでおすすめです。
歯科医院でも販売してることが多いので、一度かかりつけの歯科医院で相談してみてください。

[執筆者]

安部秀弘先生
一般社団法人日本口育協会理事長 歯科医師

[プロフィール]
国立新潟大学歯学部卒
JODA(日本口育協会理事)
AAMS(アメリカ応用筋機能学会講演者)
AAPMD(アメリカ医科歯科生理学学会講演者)
IPOS(国際小児矯正学会ボードメンバー)
日本口育協会では0歳からの口腔機能の発達に関する歯科関連のセミナーや資格制度を行っています。口腔領域の正常な発達は全身の健康に繋がっていきます。
口育協会には0歳からの虫歯や歯並びに関する管理ができる全国の歯科医院が加入しています。
お子様の口からの健康管理に興味のある方は下記HPアドレスよりお近くの歯科医院を探し相談をされてみてください。

一般社団法人日本口育協会ホームページ
https://www.oral-development-association.org/

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