新入社員の方に多い、五月病ってどんなもの?特定社会保険労務士としての観点からみた五月病についてお話します!

新しい年度が始まり、仕事にも慣れ、ようやく落ち着いてきた頃に起こりやすいのが五月病です。
今回は、特定社会保険労務士としての観点からみた五月病について、鈴木さまにお話しを伺いました。

新入社員の方に多い、五月病ってどんなもの?

五月病とは、新しい環境や生活リズムに適応するために生じるストレス反応のことを指します。
一般的には、新卒社員が入社後、5月頃に起こることから「五月病」と呼ばれることが多いです。
主な症状としては、不眠、体のだるさや倦怠感、食欲不振、イライラや不安感などが挙げられます。
また、頭痛やめまい、胃腸の不調など、身体的な不調が現れることもあり、病院ではうつ病の診断をだされることもあります。
五月病と呼ばれていますが、実際には他の季節でも同様の症状が見られることがあります。
私が社労士業務をおこなってきた中での肌感覚にはなりますが、5月~9月にかけてうつ病の診断を受け、休業することにより傷病手当金の申請をされるケースが多い印象です。

五月病になりやすい人と防止のための手段とは?

社労士業務をおこなう中で、五月病になってしまう人の特徴としてストレスに弱い人や睡眠不足が続いている人、季節の変化に敏感な人、新しい業務になかなか順応できない人が多い傾向に感じました。
社内で五月病になってしまうのを防止する手段として、

●勤務間インターバル(労働において、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保すること)の11時間以上確保することを徹底すること
●同僚とのコミュニケーションの取り方として勤務中、時々自分の気持ちを上手に表現し、周りとコミュニケーションを取ることでのストレス軽減をすること
●音楽を聴いたり飲み物を飲んだりなどの気分転換をすることにより予防すること

があげられます。
50人以上の職場であれば、ストレスチェックの制度が義務化されていますが、50人未満の職場でも3か月に1度の割合で実施してみるのも良いでしょう。
ストレスチェックを定期的に実施することにより、五月病の兆候を早い段階で知ることができ、急な休職や退職を防ぐことにもつながるので検討してみる価値はあるのかもしれません。

テレワークや人手不足など、最近急増する労働環境が原因となることも

コロナ禍の影響もあり、ここ数年で一気に広まったテレワークも、通勤時間の削減や自分のペースで仕事が進めやすいなどのメリットはあります。
しかし、コミュニケーション不足などによって生じる孤独感から五月病になってしまうリスクがあります。
ビジネスチャットやWEBミーティングなどを活用するなどして、できるだけ社員同士の交流を促す取り組みをしましょう。
また、最近の人手不足により、過剰な業務量や長時間労働がストレスの原因となり、五月病の発生を促すことがあります。
このような場合、業務量の調整やワークライフバランスの改善により社員のストレスを軽減させることで、五月病の予防につながることが期待できます。

仕事とプライベートのバランスを取り、他者とコミュニケーションを取りながらストレス解消やリフレッシュの時間を大切にして、五月病対策に努めたいですね。

[執筆者]

鈴木教大
特定社会保険労務士
医療労務コンサルタント

「うまくいった時はおかげさま。うまくいかなかった時は身から出た錆」を信条に、社会保険労務士法人レクシードを運営、代表を務める。
労使トラブルについて、現実的な解決策提示・予防措置提案を行うエキスパートとして定評がある。
また、ES(従業員満足)を主軸とした人事評価制度構築も取り組んでおり、全国各地からのセミナー依頼が増えている。
さらには会社のステータス向上として健康経営優良法人認定取得サポートに力を入れている。

社会保険労務士法人レクシード
https://www.rexseed.jp/

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