[前編]知っていた?漬物は現代に不足しがちな栄養素を摂取できるポテンシャルの高い食材でした!

漬物というと、ひと世代前の人が好きな食べ物と思う方も多いかもしれません。
健康意識の高い方にとっては、塩分過多の原因と、敬遠される方もいるでしょう。
しかし、漬物は現代に不足しがちな栄養素を摂取できる、キレイに近づくための大切な食べ物としてのポテンシャルを秘めているかも…??
今日は、さまざまな漬物の知られざる魅力について2回に渡りお話ししたいと思います。
前編は「漬物の魅力」についてです。

実は漬物は食物繊維の宝庫

日本人に不足しがちな栄養素のひとつ、食物繊維。
食物繊維とは、一言でいうと「ヒトの消化酵素で分解できない食べ物に含まれる成分」を指します。
私たちの体内では消化できないので、吸収されて体内で働くわけではありませんが、私たちの体にとって重要な働きがあります。
食物繊維には、不溶性のものと水溶性のものがあります。
不溶性の食物繊維は、摂取すると胃や腸の中で水分を吸収して膨らんで便の嵩を増し、腸を刺激し、排便を促す効果があります。
水溶性の食物繊維には、糖の吸収速度をコントロールする、有害物質を吸収し排出させる、腸内細菌の餌となることで腸内環境を整える効果などが報告されています。
日本人の食物繊維の摂取量は、18~64歳の男性で21g、女性で18g以上が1日の目標量とされていますが、実際の摂取量は14g程度と、多くの方が不足しているのが現状です(出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版))。

また、食物繊維を摂ろうとして、サラダを食べる方も多いと思います。
しかし、食感の良い生野菜は食べたときの満足度は高いのですが、嵩があり、思ったより多くを食べることができません。
さらに、ドレッシングやトッピングの種類によっては、糖質や脂質を多く摂ってしまうという欠点も。
しかし、漬物なら、日干しにされていたり、塩漬けにされていたりして体積が小さくなっているため、たくさんの野菜を摂取することができます。
ドレッシングなども不要なので、塩分の摂取量にさえ気をつければ手軽に食物繊維を摂れるのです。
また、日本人の野菜の平均摂取量は1日280.5gで、目標である350gの80%程度で、特に若い20代の女性の平均摂取量は212.1gと目標の60%程度しか野菜を食べていません(出典:厚生労働省 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要)。

ぜひ、野菜の摂取源として漬物を取り入れてみましょう。
実際に、56名の女子大生を対象におこなわれた試験では、白菜の漬物を1日80g摂取することで、便通や腸内環境の改善傾向が見られたことが報告されています(出典:食品・臨床 栄養,6, 9-20 (2011))。
低カロリーで食物繊維を摂取できる漬物は、実はキレイの味方となるのですね。
後編では「キムチ」や「すぐき」についてお話します。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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