あなたは良い姿勢?悪い姿勢?そもそも「良い姿勢」って何?まっすぐ立っていてもダメ?どうしたらいい?

キレイであり続けるために重要なもののひとつ、姿勢。
自分の姿勢が正しいのかそうでないのか、なかなか難しいですよね。
今回は、良い姿勢と悪い姿勢、そして気になる姿勢の改善について、東京都姿勢調整師会の塗木洋平さまにお話しを伺いました。

悪い姿勢でいると、こんなに損をする?!

「猫背」、「ストレートネック」、「O脚」これらの言葉にギクッと思ったあなた。
これらは「悪い姿勢」の代表格として有名ですが、若いうちに改善しておかないと損することがたくさんあります。
実際に、姿勢が悪い人がふけて見えたり、反対に年を取っていても姿勢が良い人は若々しく見えたりした経験は、みなさまあるのではないでしょうか?
姿勢が悪いまま20代を過ごすと、ファッションが綺麗に見えなかったり、恋愛などで気になる相手からの印象がよくなかったりすることも。

そもそも「良い姿勢」って何?まっすぐ立っていてもダメ?!

姿勢=背骨の状態を表します。
下の図を参照すると、横から見た時、背骨がS字のカーブを描いている状態が「良い姿勢」です。
猫背は悪い姿勢として有名ですね。この状態だと見た目がかっこ悪いのは一目瞭然。
実は猫背は一番悪い姿勢ではないのです。
カーブがまったくない縦一直線の状態(平背)が一番悪い姿勢になります。
見た目的には良い姿勢と変わらないところも落とし穴となっています。

なぜ背骨はS字なの?

成人の頭の重さは5kg(個人差あり)ありますが、これはボーリングの球に相当します。
それが首の上に乗っているのです。
5kgの負担が首、肩、腰、足など体のいろいろなところにかかってしまうのです。
その負担を分散するため、首・胸・腰の3カ所のカーブがクッションの役割を果たしています。
下の図のように猫背でカーブが1つしかない人は、身体への負担が約6倍となります。
体のあちこちに重り(ウェイト)をつけたまま生活するようなものです。
見た目がかっこ悪いことはもちろん、体が疲れやすくなったり、肩や腰、膝などが痛くなったりします。

姿勢は若いうちに改善すべし!

そもそもなぜ、姿勢が悪くなるのでしょうか?
原因は100人いれば100通り理由が違います。
姿勢は、毎日の生活習慣から悪くなります。
1日中座りっぱなしの人、1日中体を動かしている人では姿勢(背骨)の歪み方は違います。
スポーツをしている人でも競技によって、姿勢の歪み方は違います。
捻挫や骨折などのケガによっても変わります。
姿勢は1日や2日で悪くなるものではありません。
しかし、大抵は自分の生活習慣を顧みることはなく、そのまま過ごし、ケガは痛みがなくなればそのままにしてしまいます。
それが1週間、1カ月、1年と時間をかけて姿勢が歪んでいくのです。
そう、姿勢は自分の体の歴史なのです。改善が早ければ早いほど姿勢は良くなりやすいのです。
例えば、自分の部屋のドアの開け閉めがしにくくなったとしましょう。
早いうちに修理しておけば、なんの問題もないのに、ついつい面倒で放置してドアを使い続けていたら、ドアが開かなくなったり、壊れたりして最悪取り換えをしないといけなくなります。
ドアは取り換えれば済みますが、人の体は取り換えることはできません。
そのため、姿勢は若いうちから改善する必要があるのです。

姿勢は意識だけでは良くならない!?

かっこいい姿勢を手に入れるためにまず覚えておきたいことは、
「姿勢は意識だけでは良くならない」
ということです。
すでに歪んでしまった姿勢を、自身の「良い姿勢を保とう」とする意識だけで良くすることはできません。
先ほどもお話ししたドアの例でいうと、開け閉めがしにくくなった状態でドアを丁寧に扱っても、開閉しやすくはなりませんよね。
姿勢も同じ。まずは姿勢の歪みをリセットする必要があります。
姿勢の歪みとなっている主な要因は下記の2つがあります。

[1]筋力がアンバランスになっている

筋力のバランスが前後左右、崩れており、良い姿勢を維持することができません。
筋力が強いほうに引っ張られます。
猫背の例を取ると、猫背の場合は前面の筋肉が強く、背中の筋肉が弱いです。
筋肉の数は約600個あるため、実際はこんなに単純ではないため、自分の筋力バランスがどうなっているか、それに合わせたバランスを整えるためのトレーニングが必要になります。

[2]背骨の歪み(関節可動障害)が発生している

[1]の筋力のアンバランスを放置していると、背骨が歪み、関節の動きが悪くなります。
この状態で筋肉のトレーニングをしても、姿勢はかえって悪くなり、体の痛みに繋がる可能性があります。
例えば傾いている家があったとします。
ドアは開かず、屋根は剥がれ落ちてきています。
柱は人でいうところの背骨。
屋根や壁、ドアが筋肉とすると、柱を放置して、ドアや屋根を修理しても意味はありませんよね?
背骨の歪みは、専門家による調整が必要となることが多いので専門家にご相談ください。

まずは自分の体がどうなっているかを知ろう

姿勢を良くするために大切なことは、まず自分の体を知ることです。
姿勢が悪くなる原因は100人いれば100通りあるといいました。
姿勢を良くする方法も100人いれば100通りあるのです。
筋力バランスをよくすることが必要なのか、背骨の歪みを改善することが必要なのか。
まずは自分の姿勢を検査して、自分の体の状態、良くなるために必要なことを知ることが大切です。
まずはお近くの姿勢の専門家(姿勢調整師)に相談をしてみましょう。

執筆者

塗木 洋平
[経歴]
東京都姿勢調整師会 姿勢調整師/姿勢科学士
大阪観光大学 姿勢科学ディプロマ卒。
UCLA解剖学・機能学・生体力学実習 修了。
姿勢専科KCSセンター高円寺 店長。
予防医学である「姿勢科学」に基づき、美容関連企業や学校などで「姿勢と美容・健康の関係」について講演活動を行っている。
東京都姿勢調整師会公式ブログ
https://tokyo-shisei.hatenablog.jp/

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