これからを生きていくために重要スキル。それは「ヒューマンスキル」。どう磨いていけばいい?

これからますますAI(Artificial Intelligence:人工知能)がますます発達していく中、どういう仕事がなくなっていき、どういう資格や技能があると仕事を得やすくなるのでしょうか?
今後の社会や仕事の変化について、株式会社VAF Roidの代表を務められる名古屋周佑さまにお話を伺いました。

資格さえあれば困らない時代は終わり、今は存在していない職業が生まれる。そんな未来

「資格があるから収入に繋がる」
「資格さえあれば困らない」
もう、すでにそういう時代ではないのは明らかです。
昨今、話題になっているChatGPTといった対話型AIサービス(AIチャット)の台頭もあり、戦々恐々としている人も多いはずです。
インターネットが普及して約30年、急速な技術革新により働き方やライフスタイルも大きく変化しました。それこそコロナウイルスによる影響も拍車のかかる一つの要因となりました。
その中で稼ぎ方一つとっても多様化する時代になってきました。
インターネットが普及する前では考えられなかった職業です。
2015年の野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究では、「10〜20年後には日本の労働人口の49%がAIやロボットに代替可能になる」という研究結果が記されています。
また、アメリカの連邦労働省のレポートEmployment Projections 2019-2029では、「今の子供たちの 65%は、大学卒業時に、今は存在していない職業に就く」と記されています。

ライバルはAI?!激しく変化する情勢の中で、収入やスキルアップを目指すには

「転職」「収入アップ」を志す人は、まずそもそも収入は何に比例するのかを理解するべきです。日本は資本主義社会です。
資本主義社会である以上、あなたの収入や評価は、人材市場の中のあなたの市場価値に比例するのです。
そしてこのITの技術革新が進む現代においては、人材市場だけでなくAI・ロボット市場も人間のライバルになってきています。
つまりこの現代の広い市場の中での市場価値を高めておくことが大切です。

それはどんな価値なのか、どんな仕事なのか
まさに人だからこそ出来る仕事、いわゆるヒューマンスキルが必要となる仕事です。
ヒューマンスキルとは人間が持つ感性や洞察力、コミュニケーション能力、協調性、リーダーシップ、創造性、柔軟性、芸術性、企画力、共感力など、人間的な特性や能力を指します。
「収入を上げる」「お金を稼ぐ」ということはその裏に「お金を払う」行為・存在があるということです。
では、お金は誰が払うのでしょうか?
それは、ロボットやAIではなく『人』です。
つまり、世のため人のためにプラスとなる力を、あなたという個が持つことが重要です。
お金を払うのは人。
その人に最終的にアプローチ出来るのは人です。
AIにはヒューマンスキルがありません。
AIはまだまだ人間同士のコミュニケーションには及びません。
人間だからこそ出来るのです。
これらのスキルは、機械や技術には置き換えができないものであり、人間としての強みとなります。
特に、クリエイティブな仕事や自分自身のタレント性を活かす芸能業やエンターテイメント、人間同士が関わる業務やサービス業などでは、ヒューマンスキルが重要な役割を果たします。
AIは、過去のデータから予測や分析を行うことができますが、創造性や想像力による発想やアイデアを出すことに関しては、まだ発展の途中にあるといえます。

これからを生きていくために重要なヒューマンスキル…どう磨いていけばいい?

「転職」や「収入アップ」を志しているが何から始めたら良いか分からない方はまずはコミュニケーション力をはじめとするヒューマンスキルを磨くと良いでしょう。
前述したように、ヒューマンスキルにはさまざまな要素があります。
そして他者との関係で成り立つものであるため、高める為にはまず他者を理解する事が重要になってきます。
但し他者を理解するにはまず自己を理解する必要があります。
自分の事も理解出来ていない人が他者を理解出来るわけがないからです。
自己理解能力と他者理解能力、これらの先にコミュニケーション能力、交渉能力、プレゼンテーション能力、リーダーシップ能力などがあります。
以上の能力の向上の為には、ビジネスシーンや日常生活において、多様な人と関わる環境に身を置くこと、その中で常に他者との会話(表情や動作、内容や文章構成、心理)、さまざまな状況下における自分の位置などを誰よりも意識する事が効果的です。
コミュニケーション一つとっても、そこまで意識して会話している人は世の中少ないのです。
なぜなら多くの人が幼少期から幼稚園や小学校のクラスに配属され、国語や算数とは違い「コミュニケーションについては自然的に各々学んで下さい」という状況で育ちその流れで社会人になっているはずです。
まずは過信せずこのヒューマンスキルが足りていない事を自覚し、前述した内容を意識し、その中でPDCAを回してみて下さい。
そしてヒューマンスキルは中長期的に向上していくものであるという理解は持っておいて下さい。
なぜならもちろん場数や経験にも伴うからです。
逆に短期的に取得できる資格は冒頭にも述べたように時代的にも価値が薄いかもしれません。
もちろん資格があるに越した事はないですが、資格はヒューマンスキルがあった上でレバレッジが効くものです。
ヒューマンスキルを多大に活かせる芸能は、多くの周辺産業を加速させる重要な役割を果たします。
時には社会問題や政治問題、文化や風潮に影響を与えます。
そして、AIやロボットに興味のある方はその開発やメンテナンスなどに関する専門的な知識や技術を磨いておくと需要が高まるでしょう。

[執筆者]

名古屋周佑
株式会社VAF Roid代表取締役
福岡県福岡市出身。二級建築士を取得し大手建築会社への就職を機に上京。
しかし技術職の将来性や日本の社会情勢に対し不安を抱え、様々な副業に挑戦するが結果が伴わず挫折。
その後営業職を経験し、100名弱の中でトップセールスを3回獲得、コミュニケーション能力、交渉能力などのヒューマンスキルの重要性を痛感。
現在は芸能、コンサルティング、外国語、子育て支援などの事業を手掛けており、芸能事務所としてはタレント、クリエイター等のキャスティングや企画、制作、撮影、編集と一貫したプロデュースとマネジメントを行っている。
また、新人開発として育成から創出までのサポートと次世代マーケティングをベースとしたコンテンツ作りに取り組んでいる。
株式会社VAF Roid ホームページ
http://vafroid.jp/

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