歯がしみる原因は3つ!あなたの歯はなぜしみるの?岡本歯科医院 院長の岡本先生に伺いました!
暑い時期は、冷たい飲み物や食べ物をついつい選んでしまいますよね。
でも、冷たいものを摂取しようとすると、歯がしみる… なぜしみるのか、何かトラブルが起きているのか?
今回は、岡本歯科医院 院長の岡本徹先生にお話を伺いました。
歯がしみる原因は3つ!あなたの歯はなぜしみるの?
これからの暑い時期は、確かに冷たい飲み物やアイスクリ-ム、冷やした果物などが
美味しい時期で、口にする機会が増えます。
折角の楽しみで食するのに、そうしたときに「歯がしみる」というのは、やはりツライですよね。
こうしたときに考えられるのは、次の3つです。
[1]虫歯
ひとつは、いわゆる「虫歯」(正式には「齲蝕(うしょく)」といいますが)になってしまっている場合です。
虫歯も初期の場合は「エナメル質」という歯の表層に限局しているだけなのでしみたり痛みを感じたりすることはないのですが、そのまま放置して「象牙質」まで進行すると、冷たいものや甘いものがしみてきます。
その際に、
「ときどきだし、平気かな」
「そのうちに治るかも」
と、そのまま放置することは絶対にやめましょう。
虫歯は自然治癒(勝手に治る)ということは決してないので、更に進行していき、いずれ歯の神経のそばまで進行してしまうと、それこそ「激痛」を感じるようになってしまいます。
治療も歯の神経(歯髄)を取るといったおおがかりなものになってしまいます。
ですので、そうなる前に、歯科医院を受診する必要があります。
そういったときのためにも、普段から、気軽に通えて、なんでも相談できる「かかりつけ歯科医院」を持っておくと良いですね。
[2]知覚過敏
次にしみる原因と考えられるのが「知覚過敏」です。
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物や甘いものを摂取したとき、また冷たい風にあたったときなどに感じる一過性の痛みで、特にむし歯や歯の神経(歯髄)の炎症などの病変がない場合にみられる症状です。
虫歯の場合は歯に穴があいて、その部分が黒くなることが多いので、見た目でもわかりますが、知覚過敏は、そういったことは起こりません。
知覚過敏の原因の多くは誤った歯ブラシの使い方や歯みがきの方法です。
すなわち、強い力で横に大きく動かすような、間違った磨き方を続けていることで、物理的に歯の根元、歯ぐきとの境目の部分が、削れてしまうことによっておきます。
また、誤った歯みがきだけではなく、かみ合わせの問題で生じる場合もあります。
これは、噛む力があまりにも強いことによって、歯が揺らされ、根元の歯質が少しずつ削れて(はがれて)しまうことがあるのです。
[3]歯の破折
最後は、「歯の破折」です。歯を強くぶつけたことなどにより歯が欠けて(破折して)、象牙質が露出すると、どうしても冷たいものを摂取する際にしみてきます。
また、明らかには歯が欠けていなくても、前記のように、いつも強い力で噛み続けていたり、睡眠時にくしばったり(いわゆる歯ぎしりをしたり)していると、健全な歯質にも、ちょっとしたひびや亀裂が入ってしまうこともあります。
そうするとそのひびから冷たいものの刺激が歯の神経に伝わるので、しみるようになってしまいます。
これも、あまり放置すると、そのひびがどんどん深く・大きくなり、神経まで進んでしまうと、激痛を伴い、神経を取る治療になってしまうので、注意が必要です。
いずれにしても、冷たいものがしみるようになった場合には、自分ではむし歯による痛みであるのか、知覚過敏であるのか、はたまた歯の破折によるものなのかは分かりにくいです。
そのまま放っておかずに、早めに歯科医院で受診することをお勧めします。
[執筆者]
岡本 徹先生
東京医科歯科大学卒業後、いくつかの歯科医院の勤務を経て、現在は岡本歯科医院の院長を務める。
岡本歯科医院では、子どもからお年寄りまで、オールラウンドな治療を得意とし、「自分の歯の大切さ」を啓蒙しながら安心して治療していただけるよう努めている。
座右の銘は「継続は力なり」。
趣味である剣道(教士七段)でも師範として活躍しながら、『地元のかかりつけ歯科』として日々患者と向き合っている。
<経歴>
東京都大田区大森歯科医師会監事
東京都歯科医師連盟専務理事
東京都歯科医師連盟副会長
東京医科歯科大学剣道部監督
鵜の木剣友会会長
大田区剣道連盟常任理事
全日本歯科医師剣道連盟理事長
岡本歯科医院
https://www.okamoto-d.net/