「ホエイ」って筋トレする人が飲むやつでしょ?・・それだけじゃない!キレイ肌を目指す人にも嬉しい成分がいっぱいです!

世の中にあるたくさんの化粧品の中には、製品や箱を見ていただくとわかるように、本当に多種多様な成分が配合されています。
それらの成分は、どのようなものからでき、どのような効果を持ち、どのような目的で使用されているのでしょうか?
化粧品に含まれる成分をよく知ることは、キレイへの確実な近道かもしれませんね。
知っているようで意外と知らない、化粧品に使用される成分についてお話ししたいと思います。

今回は、ミルク由来でイメージも良く、最近人気の「ホエイ」です。

ミルク由来の美肌成分


お肌のケアにミルクや発酵乳を使用していた歴史はとても深く、ローマ時代には、暴君として悪名高い5代皇帝ネロの妻であるポッパエアを筆頭に、貴婦人たちはミルクを使ったパックを使い、ミルク風呂に入って当時の流行だった美白を追求していたそうです。
白く美しい肌になりたいという欲求は、今も昔も同じなのですね!
今回のテーマであるホエイは、そんなミルクからつくられた原料です。
ホエイときいてもピンとこない方は、ヨーグルトを思い浮かべてみてください。
ヨーグルトのふたを開けた時、表面に透明な液体がたまっていたことはありませんか?
これがホエイ(Whey)で、日本語では乳清、もしくは乳漿と呼ばれています。
ホエイには、乳糖(ラクトース)、乳酸(α-ヒドロキシ酸)、アミノ酸各種、ペプチド、水溶性ビタミン、ミネラル、多糖類など、お肌にうれしい成分がたっぷり含まれています。

ホエイの成分は、天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor。皮膚に元々備わっている保湿成分のこと)に近く、お肌に優しい保湿作用があります。
また、チロシナーゼ(メラノサイトというメラニンを生成する細胞内にある酵素。メラニン生成の際に働く)の活性を阻害する作用があるため、美白成分としても注目されています。
アミノ酸やたんぱく質を豊富に含み、食べても高い栄養価があるため、最近ではホエイを使ったプロテインやサプリメントなど、機能性食品も多数見られますね。

フルーツじゃないけどフルーツ酸配合?!

ホエイにも含まれているα-ヒドロキシ酸(AHA:Alpha Hydroxy Acid)は、フルーツに含まれていることが多いため、フルーツ酸と呼ばれている成分です。
リンゴから採れるリンゴ酸、ブドウから取れる酒石酸、サトウキビなどから取れるグリコール酸などがその代表ですが、ミルクから採れる乳酸もあります。
AHAには、お肌の悩み解決に欠かせない、うれしい作用があります。
新陳代謝の低下などでターンオーバーが乱れ、なかなか古い角層がはがれおちないでいると、お肌はくすんで見えたり、ごわごわしたりします。
また、古い角層が壁となり、せっかく使用した化粧品に含まれる、美容成分の浸透の妨げとなってしまうことも・・・。
AHAは古い角層と、細胞間脂質との結合を緩め、自然にはがれ落ちるようにする、すなわちターンオーバーを正常にしてくれるのです。
ホエイに含まれる乳酸は、使用するpHが同じ場合、グリコール酸と同様の作用があるとされていますが、乳酸は前述したNMFに含まれる成分のひとつであり、保湿効果も高いことから、肌へ優しく作用すると考えられています。

「一生懸命お手入れしているのに、お肌の調子がぱっとしない」
「なんか肌色がくすんで見える」
「手触りがごわごわ&ざらざら、つるつるになりたい」
こんなときは、ホエイが配合された化粧品にトライしてみるのもいいかもしれませんね。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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