女性の心身はホルモンバランスに影響されがち。PMSについて原因とケア方法について湘南リウマチ膠原病内科、上原先生に伺いました!
特に病気というわけではないのに、生理前にはなんだか体調が悪くなったり、心が不安定になったり。
女性の心身はホルモンバランスに影響されがち。
なぜそうなるのか、どうケアすればいいのか、湘南リウマチ膠原病内科の上原武晃先生にお話を伺いました。
女性のホルモンバランスに関連するさまざまな不調は、生理的なサイクルやライフステージによって異なります。
今回は、PMSについて原因とケア方法を説明します。
生理前症候群(PMS)とは?
生理前症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)は、多くの女性が生理周期の一週間前から生理が始まるまでの期間に経験する一連の身体的・精神的な症状です。
主に以下のような症状がおこるとされています。
[1]身体的症状
・乳房の腫れや痛み
・腹痛や下腹部の不快感
・頭痛または偏頭痛
・背中や関節の痛み
・腹部の膨満感やガス
・便秘または下痢
[2]精神的症状
・不安感や緊張感
・イライラや怒り
・悲しみやうつ病的な気分
・過度の感情の波
・集中力の低下や注意力の散漫さ
[3]体重変化と食欲の変化
・食欲の増加または減少
・体重の増加や体液の蓄積
[4]睡眠障害
・不眠症または過度の睡眠
・眠りが浅い感じ
[5]その他の症状
・皮膚のニキビや吹き出物
・侵食的な妄想や恐怖感(一部の人に見られることがあります)
これらの症状は、生理周期の前に始まり、生理が始まるとともに緩和することが多いです。
ただし、一部の女性は症状が非常に重症で、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
PMSの症状は個人差が大きいため、症状の程度やタイプが異なることがあります。
どうしてPMSは起こるの?
PMSの具体的な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。
(1)ホルモンバランスの変化
生理周期の特定の時期に、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが変化します。
この変化がPMSの主要な原因とされています。
(2)神経伝達物質の変化
セロトニンなどの神経伝達物質の変動が、精神的な症状(不安、イライラ、うつ病)に関与している可能性があります。
(3)栄養不足
特にビタミンB6、カルシウム、マグネシウムの不足がPMS症状を悪化させることがありま す
PMSの時期を快適にい過ごすためのケア方法について
PMSの症状を軽減するために、以下の方法が役立つことがあります。
(1)バランスの取れた食事
ビタミンB6、カルシウム、マグネシウムを含む健康的な食事を摂ることが重要です。食物繊維、抗酸化物質、オメガ-3脂肪酸も含め、栄養バランスを整えましょう。
(2)運動
定期的な運動は、PMSの症状を軽減するのに役立つことがあります。
有酸素運動、ストレッチ、ヨガなどが選択肢です。
(3)ストレス管理
ストレスはPMS症状を悪化させることがあります。リラクゼーションテクニック(深呼吸、瞑想、マインドフルネス)、趣味、ストレス軽減活動を取り入れましょう。
医療的アプローチ: 重度のPMS症状を持つ場合、医師に相談しましょう。
ホルモン療法や抗うつ薬など、薬物療法が考慮されることがあります。
(4)サプリメント
ビタミンやミネラルのサプリメントを摂ることが、特に栄養不足の場合に役立つことがあります。
ただし、医師の指導を受けることが重要です。
PMSは女性によって異なる症状を引き起こすことがあり、個人差が大きいです。
症状が重度で日常生活に大きな影響を与える場合、医師に相談して専門的なアドバイスと治療を受けることが大切です。
執筆者
上原武晃先生
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員
大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。
2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療をおこなっている。
更年期など女性特有の体の不調、手や指のこわばりや関節痛などの診察のため、東京神奈川を中心に毎月1000人を超える患者さんと向き合っている。
湘南リウマチ膠原病内科
https://www.shonan-riumachi.com/