プラセンタってどうして注目されているの?美容成分プラセンタについて
何かと話題にのぼることの多い美容成分、プラセンタ。
皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
プラセンタ(Placenta)とは英語で胎盤のことで、その名の通り胎盤から抽出されたエキスを化粧品や健康食品では使用しています。
プラセンタとはラテン語で「平らなケーキ」という意味なのですが、胎盤が厚さ数センチの丸いホットケーキのような形をしていたことからついた名前だといわれています(意外なネーミングですよね)。
胎盤は、哺乳類の多くと魚類の一部でしか見られない、お腹の中でお母さんと赤ちゃんをつなぐ大切な器官です。
出産後、多くの哺乳類のお母さんは胎盤を食べてしまいます。
それは、出産時のにおいを消し、敵から見つからないようにするという役割もありますが、様々な栄養が含まれた胎盤を食べることで、出産で消耗した体力を回復するためともいわれています。
栄養豊富で美容効果も高く、注目度抜群!
今回は、プラセンタについてお話ししたいと思います。
昔は薬だった?!歴史の深いプラセンタ
プラセンタは、紀元前のころから不老長寿の薬などとして使用されていました。
西洋では、古代ギリシャの医師で「医学の父」とも呼ばれるヒポクラテスが治療にプラセンタを使用していたと伝えられています。
中国では、唐の時代に編纂された『本草拾遺』に、「人胞」「胞衣(えな・ほうい)」という名前で薬として紹介されており、その後明の時代に書かれた薬物書『本草網目』の中では、「紫河車」という名で呼ばれ、現代中国の薬学辞典でも「紫河車」と呼ばれ薬として使用されています。
クレオパトラや楊貴妃、マリーアントワネットなど、歴史の上で傾国の美女と呼ばれる女性たちも若返りや美容のためにプラセンタを使用していたとされています。
プラセンタはとても古い時代から、健康や美容のために重宝されてきたのですね。
現代でも、プラセンタは化粧品や医薬部外品、健康食品にはもちろん、医療現場など様々な場所で使用されています。
プラセンタのヒミツ
なぜ、プラセンタは健康や美容に効果的なのでしょうか?
まずは、胎盤が母体の中でどのように働いているかを簡単にお話しします。
胎盤は無数の血管の固まりで、母体の血液から酸素や栄養分や水分を吸収して胎児へ送り、逆に胎児が排出した二酸化炭素や老廃物を母体へ送り、それらは母体で処理されます。
胎児の呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿器系、そして免疫系という各種臓器の働きを全部まとめておこなっているといっても過言ではない、とても特殊な器官なのです。
そして、特殊な器官である胎盤から抽出されたプラセンタには各種アミノ酸・脂質・たんぱく質・糖質・ムコ多糖体・ビタミン・ミネラル・核酸・酵素など、様々な栄養素が含まれています。
何がどれくらい含まれるかは、豚由来・馬由来・羊由来など、抽出される動物の種類や、抽出方法によって異なります。
中でも特に特徴的な成分が、細胞の分裂を適切にコントロールしているGF(Growth Factor)と呼ばれる成長因子で、もともとは胎児が子宮の中で驚異的な成長を確実に行うために必要とされるものです。
プラセンタには、多くのGFが含まれていますが、その中でも、
・EGF(上皮細胞増殖因子)…主に表皮にある細胞に働きかけ、成長と増殖を促す
・FGF(線維芽細胞増殖因子)…主に真皮にある細胞にはたらきかけ、成長と増殖を促す
など、美容にうれしい成長因子も存在しています。
最近は、抽出技術の進化により、高温加熱処理や科学的処理等とおこなわず、できるだけ素材に負荷をかけずに精製することで、プラセンタ本来の高い栄養価と機能性が、加熱によって壊されることなく豊富に含まれた、新しいタイプのプラセンタも開発されています。
みずみずしくシワのないお肌のために、心強い成分といえますね。
一個のごく小さな受精卵を、わずかな期間で生まれ出る赤ちゃんにまで成長させる胎盤には、たくさんの機能やパワーが備わっているのですね~。
美白効果としては、チロシナーゼというメラニン合成にかかわる酵素の活性を阻害する働きが発見されており、医薬部外品の有効成分として認められています。
昔から胎盤を常日頃、触る機会が多い産婆さんの手は年を重ねても白くてとてもキレイだといわれていましたが、やはり理由があったのですね。
美肌に興味のある女性にとっては、要チェックな成分です!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]