【中編】顎に違和感を感じたら?自分でできるケアってある??パレスサイドビル歯科院長 石岡先生に詳しいお話を伺いました。
実は現代の女性に多い悩みのひとつ「顎関節症」。
3回にわたり、パレスサイドビル歯科の院長 石岡麻美子先生に詳しいお話を伺いました。
第2回目の今回は、顎に違和感を感じたときに、自分でできるケアについてご説明いただきます。
顎に違和感を感じたら・・・まずは自分でできるケア
顎関節症の分類には、Ⅰ型(筋肉の異常)、Ⅱ型(関節靱帯の異常)、Ⅲ型(関節円盤の異常)、Ⅳ型(骨の異常)、Ⅴ型(どれにも当てはまらないもの)と分類され、タイプによって治療方法が異なります。
1,まずは顎関節の安静!負担をかけない!
痛みが強い時には、顎関節を安静にすることがとても大切です。
柔らかい食事にしたり、口を大きく開かないようにしたり、顎に力をなるべくかけない、使わないようにすることです。
2,生活環境の改善
「上下の歯を接触させる癖(TCH)」の改善;この癖に気付くこと、そして意識することが治療の第一歩です。
TCHをおこなっていることを自覚し、この癖が顎に良くないことを認識することで、意識的に“歯を合わさないようにする”などの行動に繋がってきます。
姿勢の改善も重要です。
パソコンに向かう時、スマホを見る時、勉強する時などに起こりやすい前屈姿勢や猫背は、顎関節周囲の筋肉の負担になりやすくなっています。
今一度、姿勢を正しくしてみましょう。
また、食事習慣(偏咀嚼)を見直してみましょう。
片方だけで食べ物を噛んでいると、噛んでいる側の口元のしわができやすくなったり、エラが張ってきたり、顎が片方にずれてきたり、顎関節にも、顔全体にも影響が及んできます。両側で噛むように心掛けましょう。
睡眠習慣も確認してください。
うつぶせ寝はどうしても顎関節にかなり負担がかかってきます。
十分な睡眠時間をとることも大事です。
3,精神的ストレスの管理
仕事、家事、子育てから介護まで、女性がメインになることも多々あるこの現代社会、ストレス0(ゼロ)にすることは、大変難しいのが現状です。
すなわち、「ストレスと上手に付き合う方法」が大事となります。
ストレスをためすぎると、どうしても人間は食いしばってしまい、普段以上に顎に負担がかかってくる場合が多くなります。
顎のトラブルを軽視して放置することで、
「口が開かないどころか、痛みも出てくる。そうなると食事がしっかり噛めなくなり、食事量も減り、消化吸収も悪くなり、元気の源のパワー(栄養)も取りにくくなり、体調を崩す(QOLの低下)」
という悪循環に陥る可能性があります。
また、顎の筋肉がこわばると頭痛だけでなく、首や肩こり、ひどくなると耳鳴り、めまい、腰痛になる方もいます。
食いしばる時間が長くなればなるほど、顎関節症になりやすくなるだけでなく、歯が摩耗し、かつ歯を支えている顎の骨に、骨の添加(食いしばりに堪えるように、歯を支えている骨自体も大きくなってくる)が起こり、少しずつ見た目も変形してくるという事態になることがあります。
ストレスの解消方法は、人それぞれです。
お散歩でも構いませんし、短時間でも良いですので好きなことを見つけ、ストレスを少しでも発散する方法、和らげる方法を見つけてみてください。
今回は、顎のトラブルを感じたときに、まずは試してほしいセルフケアについてお話ししました。
セルフケアを試みても改善が見られないとき、痛みや違和感が強いときは受診をお勧めいたしますが、実際の治療はどんなことをするのでしょうか?
次回は病院での治療内容や気になるコストについてお話しいただきます。
[執筆者]
石岡麻美子
歯科医師
パレスサイドビル歯科 院長
皇居に近い立地で、東西線「竹橋駅」直結、毎日新聞社本社パレスサイドビル内にある、早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の女性院長。
パレスサイドビルおよびその周囲で働くビジネスマンの方々の歯の健康維持に尽力している。
長崎大学歯学部卒業。
中国北京にて4年間駐在経験あり。
日本歯科医師免許の他に中国北京外国人歯科医師免許も取得。
日本語だけでなく、中国語でも診療可能。
パレスサイドビル歯科 ホームページ
https://paleceside-dental.com/