バイト敬語使っていませんか?誤用に注意して敬語を正しく使いましょう。

なかなか使いいこなすのが難しい敬語。
誤った敬語が定着してしまっていることもあります。
今回は、間違う人が多い敬語の誤用について、株式会社宙の代表の栗栖佳子さまにお話を伺いました。

こんな間違いに注意!

二重敬語:敬語を重ねすぎて不自然になる
×社長がおっしゃられました。
(おっしゃる+られる → 過剰)
〇社長がおっしゃいました。

×資料を拝見させていただきます。
〇資料を拝見いたします。
「拝見」自体が謙譲語なので「〜させていただく」は不要。

謙譲語を相手に使う:相手を下げてしまう
×部長にお聞きしました
(「聞く」の謙譲語「伺う」を使うべき)
〇部長に伺いました

うっかり使っていませんか?バイト敬語

 
続いて、つい使ってしまいがちなバイト敬語を5つご紹介します。
1)「〜のほう」
「〜のほう」は方向を示す言葉

×お席のほうにご案内いたします。
〇お席へご案内いたします。

×お名刺のほういただけますでしょうか?
〇お名刺をいただけますでしょうか?

2)「〜になります」
「〜になります」は変化を表す言葉

×こちらがコーヒーになります。
〇こちらがコーヒーでございます。

3)「〜からお預かりします」
「〜から」はお釣りを計算するときに使う言葉

×1000円からお預かりします。
〇1000円をお預かりいたします。

4)「よろしかったでしょうか」
過去形「よろしかった」は不自然、現在形が適切

×ご注文は以上でよろしかったでしょうか?
〇ご注文は以上でよろしいでしょうか?

5)らぬき言葉
「ら」を抜いた言葉

×決めれない
〇決められない

×出れない
〇出られない

6)れたす言葉
「れ」を足した言葉

×読めれる
〇読める

×出せれる
〇出せる

大人が使うとよりイタイ?若者言葉

学生のときに仲間内で使うなら問題ありませんが、社会人となり、取引先や上司との会話はもちろん、同期など親しい間柄であっても、就業中は避けたい言葉です。
1)言い出し・つなぎ言葉
「てか」「なんか」「普通に」「逆に」

2)感情表現の言葉
「やば」「無理」「ワンチャン」「だる」「むず」

3)相槌・リアクション言葉
「それな」「わかる」「おつ」

若者の口癖は、軽いノリで話をつなげたり、感情をシンプルに表現するのが特徴的!
カジュアルな会話ではよく使われますが、フォーマルな場では使いすぎに注意しましょう。

尊敬語と謙譲語の混同

尊敬語と謙譲語を混ぜると、相手を立てるつもりが逆効果になることがあります。
1)「社長が参られました」
「参る」は謙譲語なので、目上の人には使わない。

×社長が参られました。
〇社長がお越しになりました。

2)「部長が申し上げました」
「申し上げる」は謙譲語で、自分や自社のことに使う

×部長が申し上げました。
〇部長がおっしゃいました。

3)「お客様が拝見されました」
「拝見する」は謙譲語。上司には「尊敬語」を使う

×係長が拝見されました。
〇係長がご覧になりました。

間違いがちな言葉はこう言い換えよう!

つい使ってしまいがちな間違った敬語。
矢印のように言い換えましょう。
1)依頼・確認の表現
こちらでよろしかったでしょうか?
→こちらでよろしいでしょうか?

ご注文のほうは以上でよろしいですか?
→ご注文は以上でよろしいですか?

お席のほうにご案内いたします。
→お席へご案内いたします。

2)受け答え
了解しました。
→承知しました。/かしこまりました。

大丈夫です。
→問題ございません。/かしこまりました。

ご苦労さまです。
→お疲れさまでございます。

3)丁寧な言い換え
すみませんが・・・
→恐れ入りますが・・・

今お時間ありますか?
→少しお時間を頂戴できますでしょうか?

ちょっと待ってください。
→少々お待ちくださいませ。

敬語は「正しさ」よりも相手に対する「気持ち」が大切です。
多少間違えても、「相手を大切にする気持ち」が伝わればOK!
間違えやすい敬語を意識して、何度も練習することで、社会人としてのビジネスマナーが自然と身につき、自信をもってコミュニケーションをすることができるようになります。
是非、声に出して試して下さい!

[執筆者]

栗栖佳子
株式会社宙代表取締役
アンガーマネジメントファシリテーター・アンガーマネジメントアドバイザー

大学卒業後、人材サービス会社で法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。
2009年にビジネスコーチとして、株式会社宙を設立。
コーチング、アンガーマネジメントなどのコミュニケーション研修の他、世界一幸福度が高いとされる北欧の教育プログラムや、LEGO®SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したファシリテーターとしてオリジナルメソッドを活用し、社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動に取り組む。
また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、女性のキャリアアップ、行政・教育関係からの依頼も数多い。

株式会社宙
http://kurisu-sora.com/

関連記事一覧