鮮やかな色の秘密はたっぷりのポリフェノール!注目のスーパーフード「ビーツ」。

英語でBlood turnip(血カブ)と呼ばれていたことがあるのも納得の赤紫色が特徴の野菜、ビーツ。
テーブルビート、ビートルートなどさまざまな呼び名があり、日本名は火焔菜(かえんさい)とも呼ばれています。
食卓をオシャレに彩る鮮やかな色と、豊富な栄養価から注目を集めつつあるビーツについてお話しします。

栄養豊富! 甘くてボリュームもあるのに低カロリーな野菜、ビーツ

ロシアの家庭料理、ボルシチに欠かせないビーツ。
カブに似ていますがカブの仲間ではなく、砂糖の原料となる甜菜(テンサイ)と同じ仲間で、糖分(ショ糖)を多く含んでいるのが特徴です。
ビーツは「奇跡の野菜」と呼ばれるほどその健康効果が注目されている野菜です。
カリウム、カルシウム、ナトリウムなどのミネラル、ビタミンB群や貧血気味の女性にうれしい葉酸などがバランスよく含まれています。
なかでもカリウムの含有量は豊富で、トマトやナスの2倍以上になります。
カリウムには、体内のナトリウムバランスを調整する働きがあります。
高血圧が気になる方は、しっかり摂っておきたい栄養素といえますね。
また、甜菜の仲間ということで、ショ糖が多く含まれているのもポイント。
ビーツは甘味が強く食べ応えがある野菜ですが、同じく甘味の強いカボチャやコーンと比較すると、カロリーが半分以下というのがうれしいですよね!

特にビーツは加熱すると甘味を増すので、甘さを味わいたいときは、加熱していただきましょう。

赤ワインのような色に秘密アリ! ビーツに含まれるポリフェノール

ビーツの最大の特徴である、鮮やかな赤紫色。
紫系の色素といえば、ブルーベリーやナスに含まれるポリフェノール、アントシアニンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、意外なことにビーツにはアントシアニンは含まれておりません。
ビーツの色を生み出しているのは、ベタレインと呼ばれるベタシアニン(赤紫色)ベタキサンチン(黄色)の2つのポリフェノールで、オシロイバナやマツバボタンなど、花に多く含まれています。
あの美しい色は、花の色と同じなのですね。
ベタレインには、高い抗酸化能があることが報告されており、美肌やアンチエイジング効果が期待できます。
また、乳がんなどの抗がん作用や高脂血症予防効果も報告されており、スーパーフードとして今後の機能性食品への応用が期待されています。
(出典:M. I. Khan: Compr. Rev. Food Sci. Food Saf., 15, 316 (2016).)

まだ日本ではあまりなじみのない野菜、ビーツ。
この時季は、輸入品を扱うスーパーや道の駅の直売所などで見かけることがあります。
また、調理が楽な水煮缶は、輸入食品店などでいつでも入手することができます。
まるで魔女の料理のような色合いのビーツは、なかなか手を出しにくいかもしれません。
しかし、ビーツは見た目とは違って少し土の臭いはしますが、クセはあまりありません。
あっさりとした甘味のある、意外と和食にも合う味なんです。
ポリフェノールたっぷりで、美容や健康意識の高い人にはぴったりのスーパーフード、ビーツ。
是非、一度食べてみてくださいね。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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