イチジクは6000年前から愛されていた!ミネラルバランスの整ったドライフルーツで簡単にキレイを手に入れよう!
うだるような暑さも少しずつ影を潜め、朝夕などはずいぶんと過ごしやすくなってきました。
しかし、気温の急激な変化に体調を崩し易く、また夏の疲れが出やすい時期でもあります。
夏の間、冷たい物の食べ過ぎや飲み過ぎで、胃腸が疲れていませんか?
今回は初秋に旬を迎え、胃腸にも美容にもおすすめな、イチジクについてお話します。
歴史ある果物、イチジク
イチジクはアラビア南部が原産で、日本には江戸時代にペルシャから中国を経て、薬用として伝わってきました。
現在でも漢方で、「実」は無花果(むかか)と呼ばれ、便秘・痔疾・吐血などに、「葉」は無花果葉(むかかよう)や唐柿葉(とうがきよう)と呼ばれ、お茶や浴剤として利用されています。
古代メソポタミアでは、6千年以上前から栽培の記録が残っており、また、新石器時代の遺跡から炭化した実が出土したことから、世界最古の栽培品種化されたフルーツではないかともいわれているそうです。
実は、旧約聖書の中でもっとも有名なエピソードにも、イチジクは登場しています。
アダムとイブが、禁断の果実(リンゴだといわれることが多いですが、イチジクであったという説もあります)を口にし、自分たちが裸であることに気付いた2人が、腰を覆うのに使ったのがイチジクの葉なのです。
イチジクの木は、日本でも路地を歩いていると時折見かけますが、イタリアやギリシャなど、地中海の国では庭木として大変人気があり、世界的にもとてもポピュラーな植物なのです。
食物繊維にミネラルもたっぷり!
イチジクの果実には、糖質・クエン酸が含まれ、少量ずつですが、ビタミンE・カルシウム・カリウムなどのミネラル類もバランス良く含まれています。
さらに、水溶性食物繊維であるペクチンがたくさん含まれているため、便秘やコレステロール・血糖値の上昇抑制にも役立つといわれています。
イチジクのもつ栄養素を効率的にとりたい場合はドライフルーツを食べると、ぐっと簡単になります。
同じ100gを食べた場合、摂取できる栄養素はこんなに変わります。
・食物繊維総量 「生」1.9g →「ドライ」10.9g
・ナトリウム 「生」2.0mg →「ドライ」9.0mg
・カリウム 「生」170mg→「ドライ」840mg
・カルシウム 「生」26mg →「ドライ」130mg
・鉄 「生」0.3mg →「ドライ」1.4mg (ドライ プルーン 1.0mg) なんとプルーンよりも多いんです!
・カロリー 「生」54kcal →「ドライ」294kcal
甘みがぐっと凝縮され、とてもおいしいのですが、ドライフルーツはカロリーも大幅にアップしてしまうため、ダイエット中の方はお気をつけくださいね!
イチジクは漢字で書くと「無花果」となります(映日果と書くこともあります)。
これは花が咲かないのにも関わらず、実がなるところからつけられた名前だそうです。
イチジクの実は、果実ではなく花嚢(かのう)といい、中にある粒々の、1つ1つが花の役割をしています。
私たちが普段食べているのは、実はイチジクの花の部分なのです。
1個のイチジクの中には、なんと1,500~2,000個もの花があるとか。
イチジクは花が咲かないどころか、本当は人知れずたくさんの花を咲かせる植物だったのですね。
なかなか食卓に上る機会は少ないかもしれませんが、秋が旬のイチジク。
食べ方としては、生のまま食べるほかに、ジャムやコンポートなど、スイーツとして楽しんだり、生ハムやブルーチーズなどの塩気のあるものと一緒に、オードブルとして食べたり、様々です。
ぜひ、お気に入りの食べ方を見つけ、夏の疲れた胃腸を、これから始まる食欲の秋に向けて整えてくださいね♪
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]