がんばりすぎていませんか?更年期を上手に乗り切るためのコツ

体にさまざまな不調が現れる更年期。
ただでさえ辛く、時にはイライラすることもあるのに「更年期なんじゃないの」と軽口をたたかれて、傷ついてしまうこともあります。
体にも、心にも大きな影響がある更年期を、少しでも快適に過ごすコツについてお話しします。

まずは自分の状態を知ってみよう。更年期指数って知ってる?

「更年期の不調は別に病気じゃない」
「私ががんばれば」
このような考えで、我慢しすぎてしまう人が多いのが更年期の症状だといわれています。
また、更年期の症状のあらわれ方は千差万別で、更年期が原因なのか、ほかの病気なのか、医療機関でもなかなか判断が難しい場合もあります。
そこで、kupperaman指数と呼ばれる更年期症状を数値化して客観的にとらえるための指数が用いられるようになったのですが、こちらは欧米人女性の症状が基本となっていたため、必ずしも日本人女性に合致しない面も。
そこで、日本人女性向けに更年期症状を客観的に判断するため、1992年に東京医科歯科大学で簡略更年期指数(SMI:Simplified Menopausal Index )が開発されました。
問1~4まではエストロゲンと関わりの深い血管運動神経症状、問5~8は日本人女性に多い精神・神経症状、そして問9・10は運動・神経系症状に関する質問となっております。
10問に答えるだけでセルフチェックができますので、「更年期症状かな?」「受診した方がいいかな?」などと悩む前に、是非一度チェックしてみましょう!

更年期指数の自己採点の評価&解説
0~25点
上手に更年期を過ごしています。 これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26~50点
食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう
51~65点
医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。
66~80点
長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81~100点
各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう

更年期症状が重くなりがちな人は?

更年期症状は、ほとんど不快な症状を感じ無いほど軽い人もいれば、日常生活に支障が出てしまうほど重い症状に悩まされる人もいます。
もちろん、遺伝的な影響などによるところも大きいのですが、症状を悪化させる要因があるってご存知ですか?
まずは生活習慣。
不摂生な生活や慢性的な寝不足、過剰な飲酒、喫煙の習慣などが症状を悪化させる要因となることがわかっています。
バランスの良い食事、規則正しい生活、適度な運動……やはり、まずは生活習慣を整えることが重要となります。
中高年になり、体重を減らそうと極端なダイエットなどをすると、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがちに。
平成28年の国民健康・栄養調査結果によると、成人女性のうち、20~59歳までの方は野菜不足、そして運動習慣のある成人女性は25%以下となっています。
また、更年期症状に係る40~59歳の女性は、睡眠不足の方が最も多い世代でもあります。
何かと忙しい時期なのですが、自分のためにも食事・運動・睡眠の基本を整えるようにしたいですね。

そして、もうひとつ更年期症状が重くなる傾向があるといわれているのが「几帳面で真面目・完璧主義な人」だといわれています。
何もかも自分で背追い込み、ストレスを内に溜め込みやすい人ほど症状が重くなってしまうようです。
女性が更年期を迎える時期は、子どもが巣立つ時期、両親の介護問題、長く仕事をされている方では昇進や役職がつくなど、さまざまなことが起こる時期でもあります。
ただでさえホルモンの変化で気持ちが不安定になりやすい時期に、さまざまな重荷がのしかかってきては、余裕がなくなるのは当たり前。
それでも、責任感が強すぎて、
「私ががんばるしかない」
と自分を追い込んで耐え続けてしまう人の中には、うつ状態となってしまう女性も少なくありません。
忍耐や努力は美徳とされることも多いですが、時には自分の体も心も解放することが大切です。
ゆっくり体を休める、気の置け無い友人たちとのおしゃべりを楽しむ、旅行に行く、趣味に勤しむなど、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけておきましょう。

更年期の時期は、心も体も不安定になる時期。
無理をせず、辛くなったら受診するということも頭に入れておきましょう。
欧米の女性に比べ、日本人女性は更年期障害での受診率が低く、治療を受けている人も少ないといわれています。
更年期のあとも、人生はまだまだ続きます。
100歳以上まで生きる人(百寿者)を、1世紀生きているということから『センテナリアン』といいますが、日本人のセンテナリアンは2018年には7万人になり、そのうち女性は6万人だそうです。
そう考えると、閉経してもまだまだ人生の半分!
まさに「人生はこれから!!」なのです。
いつまでも自分の人生を楽しむためにも、栄養や運動、生活習慣を見直すのはもちろん重要ですが、100歳までのライフプランを考えてみても面白いのではないでしょうか?

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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