全人類が経験したことのない夏が来る!マスク必須の夏の熱中症対策について

5月25日、全国で緊急事態宣言が解除されました。
しかしこれですべてが元通り……となるわけではなく、厚生労働省より「新しい生活様式」が提言され、感染防止の3つの基本として
①身体的距離の確保
②マスクの着用
③手洗い
があげられています。
私たち日本人は、風邪やインフルエンザの流行のある秋冬、そして花粉が飛散する春には多くの方がもともとマスクを着用しており、今回のコロナウイルス対策に大きく貢献したとの見方も強いですが、夏場にマスクというのはさすがにあまり経験がありません。
夏にマスクを着用すると、どのようなことが起こると考えられるでしょうか。

マスクをすると熱中症になりやすいのはなぜ?


マスクを着用したまま過ごすことで、熱中症のリスクが増すと考えられます。
暑い夏にマスクをすると、息苦しさを感じ、何より暑さがつらいだろうな……との予想は付きますが、なぜ熱中症のリスクが高まると考えられるのでしょうか。

●給水しづらくなる

高温多湿の環境でマスクを着用すると、口腔内の水分量が保持され、体が発汗し、体内の水分量が減少していてものどの渇きを感じづらくなってしまう。
さらに、感染への懸念から、外出時にマスクを外すことに抵抗感があったり、いちいち外すことを面倒に感じたりして、給水の頻度が減少してしまう。

●呼吸による体温調整がしづらくなる

通常、体温より低い空気を吸い込み、体内で温められた息を排出することにより、体を冷やしているが、マスクを着用していると吐いた息がマスク内にこもり、マスク内で温められた空気を吸うこととなり、体内に熱がこもりやすくなってしまう。

●呼吸による体への負荷が増す

マスクをつけることで呼吸がしづらくなり、呼吸器を必要以上に働かせることとなり、平常時でも運動時のような負担がかかる可能性がある。

このような点から、マスク着用により熱中症のリスクが上がることが考えられています。

熱中症を防ぐには?


熱中症へのリスクが上がるとしても、マスク着用の必要性が考えられる今夏。
どのようにすれば、熱中症を防ぐことができるでしょうか。
マスクを着けようが着けまいが、最も大切なことは「水分の補給」です。
マスクのせいで口内のうるおいが保持され、のどが渇いたと体が感じたときには、すでに熱中症になってしまっていることもあります。
こまめに水分を摂りましょう。
特に、遊びなどに夢中となってしまうお子さんや、のどの渇きを感じにくくなっている高齢者などはより注意が必要となります。
厚生労働省の「健康のため水を飲もう」推進委員会によると、体重60kgの成人の場合、飲み水として1.2L飲む必要があるそうです。

また、時と場合によっては、マスクを外すことも大切です。
厚生労働省は、5月26日にマスク着用法を示した夏の対応策を公表しています。
この対応策では、
『屋外で近くの人と少なくとも2メートル以上の距離を確保できる場合は、マスクを外す』
『着用の際は負荷の強い作業や運動を避けること』
などが提示されています。
スポーツ庁も、学校の体育の授業におけるマスクの着用は不要とする旨の通知を出しており、マスクを外している間の対策としては、授業前に外してから授業後に着用するまで2メートル以上の距離を確保することなどが要請されています。
(軽度な運動をおこなう場合や児童生徒が希望する場合は、医療用・産業マスクではなく、家庭用マスクを着用するよう指導されます)
散歩やジョギングなどの軽い運動をする際は、基本的にはマスクを着用しつつも、息苦しさを感じたときは、周囲の人との距離を取ったうえでマスクをはずし、呼吸を整えましょう。
また、繰り返しになりますが、水分をこまめに摂取することを忘れずに。

緊急事態宣言が解除されても、すぐには外すことのできないマスク。
夏場も上手に付き合っていくしかないようです。
クーラーが効いた室内では基本的にマスクを着用。
周囲の人と距離が取れる屋外では外してもOK。
外出時にはマスクを持っていくのを忘れないようにして、屋内に入る際や人との距離が近づいたとき、誰かと会話する時などには適宜着用するようにしましょう。
TPOに合わせたマスクの着用が大切です。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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