防腐剤無添加の化粧品は本当に肌に良いの?防腐剤の役割とは。

「防腐剤フリー」

「防腐剤無添加」

などの言葉が謳われた化粧品が多い今。

防腐剤って、本当に肌に良くないものなのでしょうか?

今回は、防腐剤についてお話ししたいと思います。

防腐剤の役割。どうして防腐剤が必要なの?

そもそも、どうして化粧品には防腐剤が配合されるのでしょうか。
防腐剤を配合しなくても、化粧品をつくることは可能です。
しかし開封後、空中に存在したり、手に付着したりする微生物などは、どうしても化粧品に混入します。
防腐力のない化粧品では、開封後、混入した微生物が増殖。
1週間ほどで微生物だらけになり、腐敗や変質が進み、異臭がするようになってしまいます。
こんな化粧品、肌トラブルの原因にもなりますし、絶対に使いたくないですよね?
化粧品は基本的に水分が豊富で、微生物類のエサとなりうるさまざまな原料が配合されており、微生物が繁殖するにはもってこいな場所なのです。
化粧品に配合される防腐剤は、外部から混入する微生物の増殖を抑え、製品の劣化を防止する目的で使用されます。
微生物の増殖を抑える作用を「静菌作用」といい、防腐剤の多くは静菌作用により品質の劣化を防いでいます。
もともとは、化粧品に微生物に対する規制はありませんでした。
しかし、米国でアイライナーに混入した緑膿菌による失明事件が起こったのをきっかけに、1970年代ごろから化粧品における防腐効果に関心が高まるようになりました。
化粧品の防腐効果としては、1次汚染と呼ばれる、製造段階から製品が消費者に届くまでの間、製品内での増殖を抑える作用と、2次汚染と呼ばれる、消費者が使用する際に、外部から入り込んだ微生物の増殖を抑える作用の2つが求められます。
一般的な化粧品は、通常の室温での保存状態で3年を超えて安定した品質である必要があります(そうでない場合は使用期限を明記しなければなりません)。
最後まで安心して使用できる化粧品をつくるためにも、化粧品の防腐設計というのはとても重要なのです。

防腐剤の種類と安全性について

腐った食品を食べると体に悪いように、微生物に汚染された化粧品を使用することは、肌にとって当然良いことではありません。
しかし、防腐効果を高めるために、多量の防腐剤を使用することも、当然良いことではありません。
実は化粧品に使用できる防腐剤の種類と配合できる上限については、化粧品基準によって定められています。
全ての化粧品に対する配合制限が定められているものと、人体への影響を鑑み、化粧品の種類により上限が異なるものがあります。
いくつか代表的なものを見てみましょう。

皆さんがお持ちの化粧品の全成分を確認していただければ、最後の方に記載されている成分があったのではないでしょうか?
このように、防腐剤には安全に化粧品を使用していただけるよう、薬機法に基づいた配合上限が定められています。
防腐剤は「化粧品の品質保持には有効な成分であるが、過剰に使用すると肌に影響が出る可能性がある」という成分であると考えられます。
そのため、数多くの安全性テストや長い使用実績などを経て、「この配合量なら問題なし」といえる使用基準が定められているのです。
これらの防腐剤は、飲食品や目薬などの医薬品に使用されているものも多く、
『防腐剤は肌に悪いから……』
などと考えて避ける必要がないということは分かっていただけたのではないでしょうか。

防腐剤フリー化粧品とは?

微生物が繁殖しやすい化粧品。
防腐剤フリー化粧品は、なぜ防腐剤フリーが可能なのでしょうか?
微生物による汚染の可能性が低いと思われる、封を開けて一回で使い切れるような個包装のものや、水分や栄養分が極端に少ないもの、酸性のもの、などの場合は、防腐剤を配合しなくても製品をつくることは可能です。
しかし、世の中にある防腐剤フリーや無添加を謳う化粧品のほとんどは、一般的な化粧品が多いと思います。
なぜ、防腐剤を配合しなくても大丈夫なのでしょうか?
実は、これらの製品には「防腐剤と区分されていないけれど、防腐剤と同じような効果を持つ成分」が配合されています。
防腐剤は配合上限がきちんと制限されていますが、このような成分には上限が定められていません。
そのため、製品にどの程度配合されているのかもわかりません。
そのような「防腐剤と区分されていないけれど、防腐剤と同じような効果を持つ成分」が配合された化粧品と、「世界的に見ても使用歴が長く安全とされる配合量まで定められた防腐剤」が配合された化粧品。
あなたはどちらを使いたいと思いますか??

水、油分、栄養素を含んだ化粧品は、食品と同じく腐敗しやすいもの。
化粧品を製造する際には、ガイドラインに基づいて、使用する水や原料、容器の殺菌や製造タンク、充填ラインの洗浄などは細心の注意を払っておこなわれています。
そして、製品がつくられた後も、品質保証基準をクリアした商品のみが出荷されています。
さらに、手元に届いてから使い終わるまで安全に使えるように、必要最低量の防腐剤が添加されているのです。
根拠の乏しいネガティブ・キャンペーンに乗せられるのではなく、『自分の肌に合わないもの(アレルギー反応が出る成分)は避ける』ことを意識して、正しい目で化粧品を選びましょう!
また、微生物の汚染をふせぐため、使用前には手を洗い、パフやブラシ、スパチュラなどの備品も清潔なものを使用してくださいね。
もしかすると防腐剤の種類や有無を気にするより、肌のためには重要です。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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