「どうして痩せられないの?」…キレイに痩せられる秘訣は「何を」「どのように」食べたかをチェック!

健康に気を使って運動していたり、カロリーを気にして食べたりしているつもりでも、
なぜか体重は減らない…そう感じている方は多いのではないでしょうか。
「どうして体重が減らないの?!」
と思うあなたに贈る、見落としがちな体重増加のポイントについてお話しさせていただきます。

体に良くない? 超加工食品って何??

砂糖や脂肪分たっぷりの市販のお菓子、ファストフードにインスタントフード。
これらは超加工食品(ultra-processed food)と呼ばれます。
食品をその加工の程度により4つのグループに分類するNOVA食品分類について、まずはご紹介したいと思います。

(出典:Public Health Nutrition: 21(1), 5–17より改変)
最近この超加工食品を多く摂取することにより、さまざまな健康への影響があることが報告されています。

超加工食品を食べると、太るってホント??


2019年に米国国立衛生研究所のおこなった調査によると、超加工食品を食べているグループと未加工(もしくは最小限の加工)の食品を食べているグループでは、超加工食品を食べているグループのみ体重が増加する、という驚きの研究結果が報告されました。
これは、健康な成人20名を入院させておこなわれた試験で、例えば超加工食品を食べるグループの朝食は、クリームチーズやベーコンを挟んだベーグルで、未加工食品を食べるグループの朝食はバナナ、クルミ、オートミールといった具合に提供され、参加者は各食事群をそれぞれ2週間ずつ摂取するという形でおこなわれました。
どちらのグループも、100gあたりに含まれる栄養価やカロリーは揃えられましたが、参加者には食べる量の制限はされませんでした。
その結果、超加工食品を食べていたグループは、未加工食品を食べていたグループより1日当たり500kcalも多く摂取しており、平均1kgほど体重が増加していました。
特に脂肪分や炭水化物を多く摂取する傾向が見られたそうです。
反対に、未加工食品を食べていたグループでは、約1kgの体重が減少していました (出典:Cell Metab. 2019 Jul 2;30(1):67-77.e3)。
今回の試験では、食材の選択の差により、2kgもの差が出てしまったことになります!
なぜ、超加工食品を食べていたグループはより多く食べるようになったのでしょうか?
それは、超加工食品を食べていたグループは軒並み食べるスピードが速く、それが多食を招いた可能性があるとのこと。
超加工食品は食感が柔らかく咀嚼回数が減りがちで、味付けが濃い傾向があり、食が進みやすいようです。
早食いをすると、満腹を感じるまでにたくさん食べ過ぎてしまったり、血糖値が急上昇したりして太りやすくなると考えられます。
食事の際はしっかりと噛んで食べるスピードをコントロールすることが重要なようです。
また、超加工食品に用いられることの多い乳化剤が腸内フローラに影響を与え、肥満や腸の炎症、肝機能障害を促進する可能性も示唆されています(出典:SOJ Microbiol Infect Dis. 2016;4(1):1-10)。
超加工食品の食べ過ぎには注意したいですね。

なるべく手をかけていないものを!食品の選び方


では、どうやって未加工の食品を選べばいいのでしょうか?
なるべく食材そのものの形や風味が残っているものを選ぶのがポイントになります。
いくつか例を挙げてみます。
コツは、表の中の右にあるものより、左にあるものを選ぶようにすること。

インスタント食品や冷凍食品やさまざまな市販品、ファストフード。
美味しく手軽で便利、現代を生きる私たちの生活には欠かせないものです。
しかも、コスト面でも超加工食品を選ぶ方が安く済む傾向もあります。
最初にご紹介した文献では、1日当たり2,000kcal分の食事を1週間分用意するのに大手スーパーマーケットを利用した結果、未加工食品の場合は約151ドルかかったのに対し、超加工食品の場合は106ドルで済んだとのこと。
自然な食品を購入すると、超加工食品を購入するより1.4倍もコストがかかっていたのです。
米国では貧困層に肥満が多いともいわれており、利便性だけでなくコスト面からも超加工食品を選んでしまう人が多いのかもしれません。
しかし、健康やキレイのためには、なるべく超加工食品の利用は避けたいところ。
新鮮な食材を購入して、毎日きちんと料理をするのはなかなか大変です。
しかし、下処理が省ける冷凍野菜やフルーツを利用したり、調理法にこだわりを持っているデリやレストランを見つけておくなどして、忙しいときであっても、超加工食品に頼り過ぎないようにしたいですね。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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