月経前に感じる不調・・不安定な状態や違和感、痛みについて横倉クリニック 院長の横倉先生に伺いました!
月経の前はどうしても気分が不安定になったり、お腹に違和感や痛みを感じたり。
不調に悩む女性も多いと思います。
今回は、月経前症候群(PMS)について、横倉クリニック 院長の横倉恒雄先生にお話を伺いました。
月経周期と女性ホルモン
月経周期は2つのホルモンの働きが大きくかかわりますので、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つのホルモンと、その働きについてご説明したいと思います。
卵胞ホルモン
月経後は女性ホルモンの卵胞ホルモンが脳からの刺激によって増加して子宮に作用します。
受精卵が着床するための内膜を厚くする働きがあります。
また卵胞ホルモンは子宮以外にも作用して、女性らしさをつくる働きがあり、乳房の発達、皮膚、骨、筋肉、脳、自律神経などに働き関係しています。
黄体ホルモン
黄体ホルモンは排卵後熱くなった子宮内膜を、受精卵が着床しやすい状態に整えます。
また体温を上昇させる働きがあります。
月経後は卵胞ホルモンが増加しますが、排卵後は卵胞ホルモンが減少し、黄体ホルモンが増えます。
その結果卵胞ホルモン減少がさまざまな症状の原因になり、月経前症候群として現れます。
月経前症候群のさまざまな症状と、ストレスの関係とは?
月経前症候群の症状は多岐にわたります。
身体の症状と、心の症状にわけ、それぞれ具体例的を挙げてみたいと思います。
身体の症状
・下腹部・頭・腰・胸の痛み
・突然ドキドキする
・吐き気
・めまい
心の症状
・何でもないことにイライラする
・涙がすぐに出てしまう感情失禁
・なかなか寝付けない
・眠りが浅い
・集中できない
・昼間眠い
・うつ気分・不安感
・食欲不振・過食
特に最近注目されているのはストレスが月経前症候群に与える影響です。
普段からストレスがある場合には月経前症候群が現れやすいと考えられています。
ストレスがある場合は自律神経の交感神経の緊張状態が続くために、だるい・疲れやすい・動悸・めまい・肩こり・過呼吸・便秘などさまざまな症状が出現します。
対策としては、痛みなどに対する対症療法的治療からホルモン的治療・漢方療法・精神安定剤など、症状や状態によってさまざまです。
一人で悩まず、まずは専門医と相談することです。
知人や友人に合った治療法が必ずしもあなたに合うとは限りません。
しっかりと、自分に合った治療方法を探していくことが大切です。
[執筆者]
横倉恒雄(よこくら・つねお)先生
医学博士、医師。
婦人科・心療内科・内科 横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。
東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
著書『今朝の院長の独り言』『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』『ハッピースイッチの入れ方』他。
<所属学会など>
日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。
横倉クリニック
https://yokokura-clinic.com/