そもそも「美しさ」って何?美しさを「長期的」に考え、今すべきことってある?奥原歯科医院院長、奥原先生に伺いました!

プロから見た美容アドバイス:奥原先生
『キレイになりたい』と思う方は多いと思いますが、そもそも「美しさ」って何でしょうか?
今回は、医療法人社団 光志会 奥原歯科医院院長の奥原利樹先生に、「美」についてお話を伺いました。

あなたの本当の「美しさ」とは?

あなたは、本当の「美しさ」について考えてみたことはあるでしょうか?
その「美しさ」の主人公は果たして自分でしょうか?
それとも他人からの評価でしょうか?
私は歯科医師をしています。
もう20年以上在宅往診(訪問歯科)を続けている中で感じている「美」について今回はお話させてもらおうと思います。
往診には20代の歯科助手も同行させることが多いのですが、お宅に上がり80歳を過ぎた患者様のお顔を一目見ただけで自然に「すごい肌つやつやで、若々しい!」「どうしたらこんなにきれいになれるんですか?」と口をついて出てしまう方が時々いらっしゃいます。
その感動は生まれ持った容姿(目が大きい、まつげが長い、顔が小さい、痩せてスタイルがいい等)の美しさとは全く関係なく、間違いなく「笑顔で張りのある素肌」の美しさただ1点に集中しています。

美しさを「長期的」に考え、今すべきこと

あなたは「美しさ」のピークをどこに設定していますか?
人生100年時代。20代、30代は仕事や子育てであっという間に通過してしまいます。圧倒的に40代以降の人生の方が長いのです。
今現在の他人の評価に振り回されず、もっと長期的な「美しさ」について考えてみてはいかがでしょうか?
30代までは化粧の技術やまつエク、髪形等でいくらでも外見の「美しさ」は作ることができます。しかしながら40を過ぎる頃から明らかにその方の生き方や人生が顔に出てきます。
40代以降で「輝いている大人」の方が圧倒的に人生を楽しく生きられる!と自分は多くの患者さんと接してきた中で感じています。
なので20代、30代ですべき基本事項は
1、年をとってもすぐに骨折しないような健康的な食生活の習慣を作ること
2、今の置かれている環境を楽しみ、感謝し、笑顔で精いっぱい生きること
3、過去の学歴にとらわれず、どんなことでもいいので好奇心を持って「学び」を続けていくこと
4、他人と比較せず、自分の「軸」を持つこと

ではないでしょうか?

意外?!今気になる短所が将来的には長所に、そして逆に長所が短所になることも

SNSが主流の現在「美」に対する情報は溢れかえっています。
しかしながら冒頭でも述べたように「美」の概念は年と共に変化していくものであり、上の4つの事項をコツコツ実践し続けていけば必ず「美」の逆転ゾーンへ突入します。
例えば、目が小さい、頬骨が張っている、多少ぽっちゃりしているなど、それらを短所や欠点と捉え気にしている方もいるでしょう。
しかし、40代以降それがアドバンテージに変わってくることもあります。

例えば、目の大きい方は、目じりのしわが増え、明らかに年を取ったなあ!という印象になりがちですが、逆に目の小さい方はそこまでしわにならず、却って年より若い印象を与えます。
頬骨が高い人もやぽっちゃりした方もしわになりにくく、年をとっても若くみられる傾向があります。
20代、30代のうちは外見の美しさも求められる年代だと思いますので、より美しく見える髪形やメイクをとことん突き詰めてみるのもいいと思います。
なぜならこのチャレンジはこの年代にしかできないことだと思うからです。
ただし「整形」や「ボトックス注射」等をしてしまうと、その時は満足いく仕上がりだったとしても、その後の肌や体質の変化、施術とご本人の相性などによっては、折角準備されている「美」の逆転ゾーンを迎えることができず、正常な老化以上のペースで劣化が進んでしまうように感じることもあります。

またシンデレラ体重やモデル体型を意識し過ぎた過度なダイエット、極端なカロリー制限や、ビタミンやミネラルなど必須とされる栄養素が不足するような不健康なダイエット、は健康な骨の成長を妨げ、晩年非常に骨折のしやすい体へと移行していきます。
また、今は日焼け対策をされている方も多いと思いますが、過度に日光を避ける生活はおすすめできません。
肌にダメージが起こらない範囲内で、日差しが強くなる前などに軽く日光浴をする、日焼け止めをあまり塗らない手の平を日光に当てるなど、日光と上手に付き合いましょう。
ビタミンと日光も健康な「骨」の成長には不可欠なのです。

「美」のために今からできること、さっそく始めてみませんか?

40代以降で輝く女性でいるために、20代、30代ですべきことは、保存料の多い出来合いの総菜や弁当に偏ることなく、「季節の野菜や果物、雑穀米、みそ汁」等日本人が昔から大切にしている食文化を見直し、できる範囲でいいのでそれを実践することです。
よく、21日間続けることができれば、それは習慣化する!と言われています。この記事を読んだら早速明日から実践してみて下さい。
旬の野菜や果物には「生きるエネルギー」が沢山含まれていると言われています。また魚の干物や乾物にも沢山の「太陽エネルギー」が含まれています。
それらを食べられることに感謝して日々の生活を送る!だけでも健康は維持できます。
たまには週末の早朝日光浴を兼ねて自然がある場所を散歩するのも、平日の仕事、家事に追われているストレス発散と骨密度を上げるためにもとても有効だと思います。
40代以降、実際の年齢より若々しく輝いて見える人は、容姿よりもその人の生き方や中身によるものが大きいと思います。
決して高級な美容液や頻繁にエステに通えるような経済的な余裕によるものではありません。
現在の自分の収入の範囲で可能な、身の丈にあった基本的なスキンケアだけで十分なのです。

いちばん大切な「美」それは「笑顔」

ところで、あなたは今日何回笑いましたか?
家族、友達、会社の同僚と何回「笑顔」で会話しましたか?
突き詰めれば「笑顔」こそ免疫力の源であり、若さの最大の秘訣です。
どんなに容姿に恵まれていようと、世の中の不平不満ばかりに目が行き、他人の悪口や噂話ばかりしていては本当の「美しさ」には到達できませんし、人から魅力的には映りません。
子供の日々のちょっとした成長や通勤途中の道端の季節の草花の成長に感動したり、同僚や家族のちょっとしたやさしさに素直に感謝して「ありがとう!」と声に出したりしてみることが、「笑顔」の栄養素となり、その蓄積が本当の「美しさ」へ繋がっていくと自分は思っています。

[執筆者]

奥原利樹先生
医療法人社団 光志会 奥原歯科医院 理事長
1963年長野県松本市生まれ。1989年広島大学歯学部卒業。
1996年埼玉県所沢市に奥原歯科医院を開業。その後医療法人を立ち上げ2007年に現在の自社ビルに移転し開業27年目。
一般診療のみならず、20年前から居宅、施設、精神科等への訪問歯科診療(往診)も積極的に行っている。
「1本1本の歯に対する患者さんの気持ちに徹底的に寄り添う」姿勢を守り続け、現在はチェアー12台、歯科医師8名を含む総スタッフ50名の医療法人社団光志会理事長として、また現役の歯科医師として現場で若いドクターの教育に診療に奮闘中。
長女(歯科医師、大学院在籍)長男(国立大学歯学部在籍)の二児の父でもある。2021年よりSDGs、CSRを実践するため、障がいを持つ方の就労支援や「福祉マーケット」の定期的な開催、運営にも力を入れている。
著書「やっぱり、歯科医って素晴らしい!!」Discover21
「歯科医志望者が絶対に知っておくべき32のこと」幻冬舎

奥原歯科医院 ホームページ
http://www.koushikai17.or.jp/

関連記事一覧