トランス脂肪酸って結局何がいけないの?

15.7.2UP

「トランス脂肪酸がいけない」っていうけど、どんなリスクがあるの?詳しく教えます!

諸外国で表示が義務化されていたり、摂取量に制限があったりしてこれまでにも何かと話題になっていたトランス脂肪酸。
2015年6月に、アメリカで3年の猶予期間を設けた後、全面使用禁止となることが決定し、日本でもトランス脂肪酸に関する関心が高まってきました。
トランス脂肪酸って、いったいどういうものなのでしょうか?
摂取すると体やお肌にどのような影響があるのでしょうか?

トランス脂肪酸っていったい何?どうして使われているの?!

私たちが生きる上で最も重要な栄養素であり、3大栄養素ともいわれる炭水化物・たんぱく質、脂質。
脂質は、メタボや肥満につながるとして嫌われがちですが、脂質に含まれる脂肪酸は、私たちの体にとって重要なエネルギー源なのです。

脂肪酸は、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素が鎖状につながった一方の端にカルボキシル基(-COOH)がくっついています。
皆さんは、化学の授業で習う、原子が結合するときの手の数(炭素:4本、水素:1本、酸素:2本)というのを覚えていますか?
炭素は手が4本ありますが、脂肪酸の種類によっては1本の手でつながっている場合と、2本の手でつながっている場合(二重結合といいます)、3本の手でつながっている場合(三重結合といい、ごくまれに存在する)の3通りが存在します。
そのうち、二重結合のないものを飽和脂肪酸といい、二重結合、三重結合のあるものを不飽和脂肪酸といいます。
そして、不飽和脂肪酸のうち、二重結合をはさんで水素(H)が左右同軸についているものをシス型、二重結合をはさんで対角についているものをトランス型といい、二重結合の周りの構造がトランス型となっているものをまとめてトランス脂肪酸とよんでいます。
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トランス脂肪酸のつくられ方は3つあります。

①天然につくられるもの
牛や羊など、反芻をおこなう動物の肉や乳に微量に含まれます
②工業的につくられるもの
常温で液体の植物油を、半固体~固体に加工する技術の一つである水素添加によって副生成されます。
③高温処理によるもの
植物油を精製する過程で高温処理をおこなう際に、シス型の脂肪酸からトランス型の脂肪酸ができることがあります。

このうち、マーガリンなどを作る際に用いられるのは②となります。
油脂に水素を添加することで酸化しにくくしたり保存性が向上、さらに融点が上昇し固形になることで扱いやすくなったり、食感を良くしたり(クッキーなどがサクサクに、クリーミーさをアップさせる、揚げ物がカラッとなるなど)する効果があるといわれています。

どうして体に悪いの? どうやって気をつければいいの??

トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らしてしまい、動脈硬化や心疾患にかかるリスクを高めることがわかっています。
さらに、糖尿病にかかるリスク、内臓脂肪の蓄積、脂質異常などの数値を高めることやアレルギー疾患に対する影響も示唆されています。
また、トランス脂肪酸は活性酸素と相乗的に作用するとの報告もあり、健康はもちろん、美肌にとっても大敵であるといえます!
トランス脂肪酸は、脂っぽいものやこってりした食べ物が好きな男性がたくさん摂取してしまうと思われるかもしれませんが、調査によると女性の方が多く摂っているそうです。
クッキーやビスケット、ドーナツ、ケーキにクロワッサン…これらの食品が大好きという方、いませんか?
女性はお菓子からの摂取が多いとのこと。
上に並んだ食品にはトランス脂肪酸が多く含まれているので気を付けましょう。
また、ファストフードやマーガリン、マヨネーズ、コーヒー用ポーション、インスタントラーメンなどもトランス脂肪酸の含有量が多い食品です。
WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%以下にするよう勧告していますが、2012年の食品安全委員会の評価書によると日本人は男性0.30%、女性:0.33%と、米国の2.6%に比較しても低い数値となっています。
しかし、ファストフードやインスタント食品に親しんだ若い世代では、欧米に比肩する摂取量の方も存在します。
自身の食生活を、一度しっかり見直してみるのがいいかもしれませんね。

体に良くないといわれている食べ物は、トランス脂肪酸以外にもたくさんありますが、現代社会で生きていく中ではそれらすべてを排除することはとても困難なため、

●食べる量・機会をなるべく減らす
●野菜や果物を摂り、ビタミンやフィトケミカル、食物繊維をしっかり摂取する
●バランスよく食べる

などを心がけることが大切です。
トランス脂肪酸については、国としてはまだ基準を設けてはいませんが、独自の判断により、トランス脂肪酸フリーや軽減をおこなったり、含有量を明記しているメーカーが増えてきています。
気になる方は、食品の裏面表示やメーカーのHPなどをチェックしてみましょう!
欧米から輸入されたショートニングやマーガリンなどには、trans fat freeのものもあるので、お菓子をつくられる方は確認をしてみてはいかがでしょうか?
加熱処理をしていない植物油の使用もおすすめです(オリーブオイルやココナッツオイルなど)。

また、トランス脂肪酸の摂取量に気を配ることももちろん大切ですが、脂質そのものを摂りすぎないよう、脂質の総摂取量に注意することが大切です。
また、摂取する脂質のバランスにも気を付けましょう。
飽和脂肪酸は、体内でも生成できるため、重要なのは不飽和脂肪酸の摂取になります。
オメガ3系脂肪酸(青魚・くるみ・亜麻仁油などに多い)と、オメガ6系脂肪酸(サラダ油・コーン油などに多い)のバランスを、1:4で摂取するのが理想といわれています。
どうしても、私たちは普段の食生活ではオメガ6系の脂質を多く摂りがちなので、バランスに気を付けて摂ることが、美容と健康のためには重要です。
(キレイ研究室 研究員:船木)

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