乾燥が原因で口臭がきつくなる?乾燥による口腔内トラブルについてヨコデンタルクリニック院長の横引先生にお伺いしました。

気温や湿度が下がる季節は、肌や髪の乾燥が気になるという方も多いと思います。
実は、口腔内も乾燥するってご存知ですか?
今回は、ヨコデンタルクリニック院長の横引良評先生にお話をお伺いしました。

口腔内の乾燥によって起こるトラブル

唾液の分泌量が低下することで起きる口腔内の乾燥。
「口の中がかわく」「口の中がネバネバする」などの初期症状がありますが、次第にさまざまな口腔内のトラブルが生じてきます。
今回は、主なトラブル5つを解説します。
1:虫歯や歯周病のリスクが高まる
唾液には口の中の細菌を洗い流す作用だけでなく、虫歯菌が出した酸を中和する作用や歯周病予防に役立つ働きがあります。
そのため口腔内が乾燥し唾液が減ると、細菌が増えてしまい虫歯や歯周病のリスクが高まります。
2:口臭が強くなる
不快な口臭のほとんどは、口の中の細菌が食べカスなどに含まれるタンパク質を分解・発酵される過程で出るガスが原因です。
口の中が乾燥して唾液の分泌量が少なくなると、自浄作用が低下し、タンパク質を分解する細菌が増えてしまいます。
その結果口臭もきつくなるのです。
3:口内炎ができやすくなる
唾液には粘膜を保護する重要な役割もあるため、口腔内が乾燥すると口内炎もできやすくなります。
また舌も乾燥して傷つきやすくなるので、口内炎を引き起こしやすくなります。
4:舌が痛む
口腔内が乾燥することで舌が炎症を起こし、痛みを引き起こすことがあります。
炎症を起こした粘膜は刺激に敏感になり、うまく咀嚼ができなかったり飲み込めなかったりと食事に支障が出ることも。舌がひび割れてしまうケースもあり、注意が必要です。
5:摂食嚥下障害を引き起こす可能性も
口腔内の粘膜がうるおっていることは、食べ物を飲み込む一連の動作にとっても重要です。
唾液の不足によって、食べ物を咀嚼して飲み込みやすい形に変えにくくなり、うまく飲み込めなくなってしまいます。
食べ物を喉までスムーズに移動させられないようになると、誤嚥やむせが起こり、摂食嚥下障害を引き起こす恐れがあります。

口腔内の乾燥を予防するためにできること

こまめに水分を補給することが大切です。
ただし、コーヒーや紅茶・緑茶などカフェインが入った飲み物は、利尿作用が強く、摂取した水分が尿として出てしまうため、あまり飲みすぎないようにしましょう。
また、規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
自律神経のバランスを整えることで自然と唾液が出るようになります。

口腔状態にあわせたケアを行い、良い口内環境を維持しましょう

必要に応じて唾液腺マッサージや咀嚼運動指導などを行っている歯科医院もあります。
なかなか口の乾きが改善されず、気になる症状が出てきた場合は、お近くの歯科医院へ相談してみてくださいね。

[執筆者]

横引良評先生
ヨコデンタルクリニック院長
歯科医師・社会福祉士・介護支援専門員

1988年生まれ、広島県出身。
2023年に千葉県佐倉市ユーカリが丘・四街道地区にヨコデンタルクリニックを開院。
保険治療からホワイトニング・マウスピース矯正・ワイヤー矯正・審美歯科・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーションなど幅広い治療を提供している。
趣味は、サッカー・フットサル・ラーメン屋めぐり・温泉めぐりなど。

ヨコデンタルクリニック
https://yoko-dental.jp/

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