今が旬の「タケノコ)食物繊維が豊富で低カロリーなダイエットに向いている食材です!

タケノコが美味しい季節ですね。
煮物、天ぷら、炊き込みご飯など、楽しみ方が豊富な旬の食材、タケノコ。
実は意外な栄養価が??
今回は、タケノコの魅力についてお話ししたいと思います。

種類が豊富なタケノコ

タケノコと一口に言っても、実は種類はたくさんあります。
なかでもメジャーなものを3つご紹介します。
1.もっともメジャーな孟宗竹(モウソウチク)
多くの方が思い浮かべる最もポピュラーなタケノコは、孟宗竹です。
大型のものが多く、ほぼ日本全国に分布しており、収穫時期がさまざまなため、長い期間旬のタケノコを楽しむことができます。
2.細長いタケノコ破竹(ハチク)
タケノコ掘りというと、土の中から掘り起こすイメージがありますが、破竹は地面から出的なものを収穫します。
孟宗竹に比べると、細長い形をしており、アクが少ないのが特徴です。
スーパーなどでも見かけることはあまりないため、直売所などで見かけたら是非試してみてくださいね。
3.苦味が強い、大人の味?!真竹(マダケ)
真竹も破竹と同じく、地面から出たものを刈り取るようにして収穫します。
苦竹との別名があるとおり、収穫時間が経過するとアクが強くなってしまうので注意が必要です。
下茹でをていねいにおこなっていただきましょう。

今回紹介した3種類のタケノコは日本三大有用竹と呼ばれているタケノコです。
食用以外にも、竹製品や工芸品などさまざまに利用され、日本文化にとって重要な竹といえます。

タケノコはダイエットに向いてる?コレステロール値を下げる効果があるって本当??

タケノコ(ゆでたもの)は可食部100gあたり31kcalと食べ応えがあるのにとても低カロリーです。
食物繊維も3.2g含まれていて、ダイエットしている方にもぴったり。
タケノコには水溶性食物性と不溶性食物繊維が含まれていますが、これらにはコレステロールを吸着する作用があるとされ、実際に、ヒトでの試験でタケノコ由来の食物繊維によりコレステロール値(総コレステロール・LDLコレステロール)を下げる効果が報告されています(出典:Nutrition. 2009 Jul-Aug;25(7-8):723-8)。
また、マウスによる試験では、タケノコのに含まれる食物繊維の中には腸内フローラをコントロールすることでいわゆるやせ型の腸内環境へ導くことも示唆されています(出典:Sci Rep
. 2016 Sep 7:6:32953)。
また、カリウムや銅、ビタミンEやビタミンB群も含まれています。
美容や健康、ダイエットを意識される方にとってはうれしい食材といえます。
タケノコとワカメでつくる若竹煮は、ワカメに含まれるフコイダンという水溶性食物繊維の持つ効果も相まって、より高い整腸作用が期待できるので、おすすめです。

えっ、タケノコには毒が含まれているってホント?!

ヘルシーなタケノコですが、実は有毒な成分も含まれています。
そのひとつがタキシフィリンというシアン配糖体で、特に新鮮なタケノコに多く含まれることが分かっています。
タケノコを食べた後、消化酵素により青酸ガス(HCN)に変化し、中毒を引き起こす可能性があります。
食べたことによって起こったものではないですが、実際に、タイ西部でタケノコの酢漬けをつくっていた人たちが、タケノコの漬物から発生した青酸ガスによる青酸中毒となり、2名が死亡するという事故も起こっています(出典:Clinical Toxicology Volume 49(9):834-9、(2011))。
ここまで読むと、タケノコを食べることが怖くなった・・・という方もいるかもしれませんが、大丈夫。
タキシフィリンは熱に弱く、しっかりゆでることで多くを除去することができます。

タケノコにはえぐみの元とされるシュウ酸やホモゲンチジン酸がふくまれているため、ゆでて下処理をする方が多いと思いますが、この工程はタキシフィリンを除くためにも重要なのです。
しかし、新鮮なタケノコはお刺身として生やさっとゆがいただけでいただくこともあると思います。
歯ごたえや香りがよく、煮物などとは違ったおいしさがありますが、こちらは危険な成分の除去が十分とはいえないため、めまいや頭痛などの症状を引き起こす可能性があります。
生のタケノコはいくら好きであっても、食べ過ぎに注意し、適量を楽しむようにしましょう。

旬を迎えるタケノコは、食物繊維が豊富で低カロリーなヘルシー食材。
ですが、体に良くない成分も含まれるので、しっかりゆでて、あく抜きをしてから、春の味覚を楽しんでくださいね!
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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