「仕事ができる人」ってどんな人?相手に好印象を与えるポイントは適切な言葉遣いと心遣い

せっかく仕事をするのだから、同期や先輩、上司など周囲の人とうまくやっていきたいですよね。
今回は撫子Plus株式会社代表鮎永麻琴さまに、ビジネスで意外と重要となる、言葉遣いや心配りについてお話を伺いました。

企業など組織で働く人にとって、上司や目上の人とのコミュニケーションは、円滑な人間関係を築く上で重要なポイントです。
多くの仕事では「お客様にご満足いただくこと」が求められますが、それと同じように、同僚や上司、お取引先の方にも気持ちよく接することが大切です。
ちょっとした心遣いや適切な言葉遣いを意識するだけで、「この人は仕事ができるな」「気が利くな」と思われ、職場での評価も自然と高まります。
結果として、自分自身が働きやすい環境を作ることにもつながります。
今回は、上司や目上の方に好印象を与える言葉遣いや心遣いのポイントについて詳しく解説します。

「お、やるな」と思わせる言葉遣いのポイント

上司や目上の方と話すとき、言葉遣いが適切でないと、仕事の印象を悪くしてしまうこともあります。
敬語を正しく使い、丁寧で洗練された表現を心がけることで、上司や先輩からの評価もぐっと上がるでしょう。
[1]正しい日本語・敬語を使う
ビジネスシーンでは、「正しい敬語を使うこと」が基本ですが、意外と間違えやすいポイントも多いです。
例えば、以下のような言い換えを意識しましょう。
<NG表現>→<正しい表現>
了解しました→承知しました/かしこまりました
ご苦労様です→お疲れ様です
すみません→申し訳ございません
どうしますか?→いかがなさいますか?
大丈夫です→問題ございません
~でいいです→~でよろしいでしょうか?

また、「ご確認ください」→「ご査収ください」、「確認しました」→「拝見いたしました」など、場面に応じた表現を使うと、よりスマートな印象を与えます。
[2]クッション言葉を使う
「命令形」や「ぶっきらぼうな言い方」は、ビジネスではNGです。
相手に何かお願いする際や、指摘をする場面では、クッション言葉を使うと柔らかい印象になります。
●お願いするとき
「お手数ですが、○○をお願いできますでしょうか?」
「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますか?」
●断るとき
「申し訳ございませんが、○○のため対応が難しいです」
「せっかくのお話ですが、今回は見送らせていただきます」
●指摘するとき
「少し違いがあるようですので、確認していただけますか?」
「申し訳ありませんが、修正をお願いいたします」
クッション言葉を使うことで、同じ内容でも相手への印象が大きく変わります。

上司や目上の人に喜ばれる心遣い

仕事ができる人ほど、相手への「気配り」ができるものです。
ちょっとした心遣いができるだけで、「お、この人はできるな」と思ってもらえるようになります。
[1]「報連相」を意識する
報告・連絡・相談(報連相)は、上司とのコミュニケーションの基本です。
ただし、単なる報告ではなく、以下のようなポイントを意識することで、より好印象を与えられます。
結論を先に述べる:「○○について、現在このような状況です」と、要点をまとめて伝える
対応策をセットで伝える:「この問題が発生しましたが、○○の対応を進めております」
適切なタイミングで報告:上司が忙しいときに話しかけるのではなく、「お時間よろしいでしょうか?」と確認してから報告
「何を、いつ、どう伝えるか」を考えながら報告することで、「この人は気が利くな」と感じてもらえます。
[2]上司が求めているものを先回りして動く
例えば、会議で上司が必要としそうな資料を事前に準備したり、質問される前に状況を整理して報告したりすることで、「この人は気が利くな」と思われます。
小さなことでも、「上司が何を必要としているか?」を考え、先回りして行動する習慣をつけましょう。
[3]ちょっとした気遣いを忘れない
職場では、仕事以外のちょっとした心遣いが好印象につながることもあります。
気配り・目配り・心配りができて、初めて気遣いや心遣いができるのです。
●上司が忙しそうなとき
「何かお手伝いできることはありますか?」と一言かけるだけで、上司の印象が大きく変わります。
●会議の準備
会議前に上司の資料を揃えておいたり、ホワイトボードのマーカーを用意したりすると、「細かいところまで気が付くな」と思われます。
●お礼を伝える
上司に指導を受けたら、「先ほどのアドバイスのおかげで、うまくいきました。ありがとうございました!」と伝え、翌日も「おはようございます!昨日はありがとうございました。」と伝えましょう。
また、「ありがとうございます。」の代わりに、「お心遣い感謝いたします。」などと一工夫加えると、より丁寧な印象になります。

「お、やるな」と思われるポイント

言葉遣いや心遣いだけでなく、基本的なマナーを身につけることも重要です。
[1]時間を守る
時間厳守は基本中の基本。
特に上司との待ち合わせや会議には、準備を終えたうえで5分前行動を心掛けましょう。
[2]清潔感のある身だしなみ
ビジネスでは、身だしなみも評価の対象になります。
高級なものを身に付ける必要はありませんが、汚れやシワのない服装、整えられた髪型、伸びすぎていない爪など、『清潔感』を意識しましょう。
また、意外と見られているのが足元です。
靴の手入れを怠らないようにしましょう。
[3]上司の名前を正しく呼ぶ
「○○部長」「○○課長」と、正しい役職を付けて呼ぶことがマナーです。
また、メールや書類でも、名前の漢字を間違えないように注意しましょう。
いくつか間違いやすい例を紹介します。
●渡辺・渡邊・渡邉・・・さまざまな漢字がある「ワタナベ」さん
●川or河・・・「カワイ」さんの「カワ」はどっち?
●澤・沢、斉・斎・齋など、同じ読み方でも漢字はいろいろ
●「○藤」さん・・・藤であることが多いですが、東など別の漢字のことも
●「熊谷」さんのように、「くまがい」「くまがや」「くまたに」「くまや」など、読み方がたくさんある名字も・・・
いただいた組織図や名刺、先輩など周りの方に事前に確認しておきましょう。

まとめ

上司や目上の人に「お、やるな」と思わせるためには、正しい言葉遣いと気配りが不可欠です。
ぜひ、今日から実践して、上司や目上の人に「できる人」と思ってもらえるようなビジネスマナーを身につけましょう!

[執筆者]

鮎永麻琴

大学時代にはプロスノーボーダーとしてW杯に出場し、世界ランキング20位を記録。卒業後は国際線CAとして13年間勤務。
現在は、コミュニケーションスキルと統計学を融合させた「コミュニケーション帝王学®」を体系化し、自分らしく生きるためのコミュニケーションの在り方や、他者との関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。
また、2020年にはTEDxFukuokaで「自由への切符」というテーマで登壇。
2022年には書籍『Philosophy of Success 〜成功者の名言』において、成功者35人の一人として選出される。

撫子Plus株式会社
https://makotoayunaga.com/

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