ココナッツオイルでアルツハイマー病改善?!

アルツハイマー病に効果ありかも?ココナッツオイルのこんな報告をご紹介します。

ダイエットに、美容に…と大活躍のココナッツオイル。
前回は、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸によるダイエット効果と、トコトリエノールによる美容効果についてお話しました。
今回はココナッツオイル摂取によるケトン体産生とアルツハイマー型認知症についての例をお話しします。

米国医師によるレポート。アルツハイマーにココナッツオイル?

2001年ごろ、米国で医師として働いていたメアリー・T・ニューポートさんの夫・スティーブさんに、若年性アルツハイマー型認知症の兆候があらわれはじめました。
症状は徐々にあらわれ、物をなくしたり、忘れてきたり…月に3回もお財布をなくしてしまったこともあったそうです。
2008年には、自分の娘との関係も忘れかけてしまったそうですが、さすがお医者様、妻のメアリーさんは「中鎖脂肪酸を含んだオイルの摂取がアルツハイマーの症状を改善させる」という治験の結果を発見します。
彼女は、すぐに中鎖脂肪酸を多く含むココナッツオイルをスティーブさんの食事に加えました。
するとすぐに効果は表れ、スティーブさんの会話能力が1週間後にはかなり回復したというのです!
その後もココナッツオイルの摂取を続け、2011年には、会話能力や記憶能力にも一定の改善がみられたと報告されています。
ココナッツオイルがアルツハイマー病にもたらした効果とはなんだったのでしょうか?

アルツハイマー病は、脳の糖の代謝が原因とされています。
脳がエネルギー源であるブドウ糖をうまく利用することができなくなるためエネルギー不足に陥り、機能不全となってしまうのです。
皆さんは、「脳のエネルギー源=ブドウ糖のみ」だと思っていませんか?
「頭を使った後は甘いものがほしくなる」と良くいわれていますよね。
しかし、近年、脳はブドウ糖以外にも肝臓で脂肪からつくられている「ケトン体(肝臓で脂肪酸やアミノ酸から生成される不完全代謝物であるアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称)」というものも利用していることが明らかになってきました。

通常時、脳ではほとんどのエネルギーをブドウ糖の代謝から得ていますが、絶食し糖が体内に不足すると、ケトン体を利用するようになるのです。
アルツハイマー病になると、脳は糖をエネルギーとして利用できなくなるようですが、ケトン体を利用する能力は残っており、ケトン体をエネルギーとして利用することで再び脳が機能する…と考えられています。
ケトン体は、体内のブドウ糖が不足すると、体に蓄えられた脂肪などからつくり出されます。
しかしアルツハイマー病の方を絶食させ、飢餓状態にするわけにはいきませんよね?

ココナッツオイルでケトン体をつくり出す

日本で一般的に使われている食用油(ナタネ油・コーン油・オリーブ油など)の主成分である長鎖脂肪酸からは、糖類が血中に存在しないとき(糖質摂取制限をおこなっているときや飢餓状態のとき)にのみケトン体が産生されます。

一方、ココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸からは、血中の糖質の存在には影響をほとんど受けず、効率的にケトン体をつくり出すことができるといわれています。
ブドウ糖が使えずエネルギー不足に陥っていたスティーブさんの脳は、ココナッツオイルを摂取することにより産生されたケトン体をエネルギー源とすることにより再び機能し始め、記憶力や会話能力に改善が見られたのだと考えられます。

実際に、米国ではアルツハイマー病患者とその予備軍に中鎖脂肪酸を摂取させると、血中のケトン体の量が増え、記憶力低下などが抑えられたという研究結果も報告されてきて、さらなる研究が進められています。
日本にも、認知症の患者は400万人以上いるとされ、軽度の認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の方も含めると、高齢者の4人に1人が認知症とその予備軍であるといわれています。
高齢化社会は今後ますます進み、認知症はこれからさらに大きな課題となっていくでしょう。
ココナッツオイルは、高齢化社会をよりよくするためのアイテムのひとつとなるかもしれません!

いかがでしたか?
ココナッツの産地であるフィリピンでは、ココナッツは「生命の木」と呼ばれ、食料品としてはもちろん、医療品としても重宝されています。
私たちも生命の木のもつパワーを上手に利用して、美しさと健康に役立てましょう!
(キレイ研究室:研究員 船木)

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