冬のかかとはなぜ硬くなるの!?ガサガサ、カチカチ・・ケアのポイント教えます!

乾燥したかかとが硬くなり、ざらついてストッキングに穴を開けてしまったり、ひび割れて痛みや血が出たり・・・なんて経験はありませんか?
冬は気温が下がり空気が乾燥するため、かかともより乾燥しがちに。
今回は、かかとが硬くなってしまう原因とケアについてお話ししたいと思います。

なぜかかとは硬くなるの?


顔やボディの肌も乾燥することはありますが、かかとのように硬くなることはありませんよね。
なぜ、かかとは硬くなってしまうのでしょうか?
表皮には、(1)角層(2)顆粒層(3)有棘層(4)基底層の4層があります。
しかし足裏や手の平には、(1)角層と(2)顆粒層の間に『透明層』という特別な層(顕微鏡で見ると半透明に見えることから名付けられました)があり、5層構造になっています。
透明層は、皮膚を厚くし、負荷のかかりやすい手の平や足の裏を保護するために存在していると考えられます。
実際、顔の角層は約10層の角層にて構成され、厚さは約0.02mm(ラップ程度の厚さ)ほどしか無いのですが、足裏の角層は50層以上で中でもかかとは100層にもなり、厚さも1mm以上と、顔の50倍以上になります。
体重を支え、歩く必要がある足裏の皮膚は、重さに耐えられるよう、前述の透明層を有する厚い構造をしています。
しかし、あまりに厚い構造のため、内部からの水分が表面まで十分に届かず、乾燥しやすくなってしまうのです。
そのため、足裏は汗をかきやすいのですが、皮脂腺がないのでバリア機能自体は高くなく、うるおいは維持しにくくなります。
冬場の空気の乾燥やホルモンバランスの乱れ、加齢などによってターンオーバーが乱れると、角層は過剰に厚くなります。
そしてさらに乾燥が深部まで進んで硬くなり、柔軟性を失ったかかとはざらつきや酷くなるとひび割れを起こしてしまいます。
こうなると痛みを感じ、ときには出血を伴うことも。
酷くなる前のケアが重要です。

ケアのポイントは? どんな保湿クリームがおすすめ??

最も大切なのは保湿です。
入浴後や睡眠前にはしっかりとクリームで保湿をしましょう。
かかとの硬くなった角層(角層が過剰に重なり硬くなった状態。角層肥厚とも呼ばれる)を取り除くことも有効です。
入浴後など柔らかくなった角層を、かかと用ファイルやスクラブ、ピーリング剤などを用いて取り除きます。
ポイントは、かかとを削りすぎないこと。
無理やり剥がそうとしたり、ハサミでカットしたりするのはお勧めできません。
そして、削った後はすぐに保湿をするのを忘れずに。
保湿剤には、角層の水分の喪失を抑え、皮脂などによるバリア機能の代わりとして機能することにより、皮膚の乾燥状態を改善することが示されています。
どのような成分が入った保湿剤が良いのか、気になりますよね?
22の研究をまとめたレビューによると、尿素に関する報告が最も多かったそうですが、最も良い保湿成分を決定づけるほどの報告は見られないとのこと(出典:Journal of Foot and Ankle Research volume 10, Article number: 9 (2017))。
尿素やグリセリン、ヒアルロン酸などの保湿成分と、ワセリンや油脂などの閉塞性の高い成分を組み合わせているものが良いとのことですが、市場に売られている保湿剤はほぼこの条件に当てはまりますので、自分が効果を感じるものや好きなものを選びましょう。
足専用のクリームでも、ボディケアアイテムでも、OKです。
塗布をしっかり続けることの方が重要なようです。
ベッドに入る際に保湿剤のベタつきが気になるときは、綿やシルクなどの通気性の良い靴下を履くのもおすすめ。

あなたの靴は平気? そのほかに気を付けること

足の裏が固くなってしまう原因のひとつに、外的刺激があります。
足の裏は、体重を支えているので、日常的に圧力がかかっている箇所。
そのため、クッション性が低い靴や足裏に不均一に圧がかかるような靴を長時間履いていると、足への負担が大きくなってしまいます。
足に合った靴を選ぶことも大切です。
また、冷え性の方は、温めたりマッサージをしたりして、血行を良くするよう心掛けましょう。
ターンオーバーの乱れを整えるのをサポートしてくれます。
保湿ケアと並行して、普段の生活も少し見直してみましょう!

どんなに素敵な人でも、不意にちらりと見えたかかとが白くカサついていたり、足に触れたときにおろし金のような手触りだったりしたら、ちょっと気持ちが覚めてしまいますよね。
特に冬場は、かかとが人目に触れる機会も少ないため、なおざりにしてしまいがち。
つるりんとしたなめらかなかかとで、全身スキなしのキレイを目指しましょう!
そして、どんなにケアをしても改善が見られないときには、皮膚や体に何かトラブルが起きていることもありますので、皮膚科などを受診することも大切です。
いつも体重を支えていてくれているかかと。
たまにはその状態を確認し、敬意を込めてやさしくケアしてあげてくださいね。
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

関連記事一覧