ここが大変!大人の歯列矯正を開始する時に気をつけなければいけない点を医療法人メディスタイル理事長徳永先生に伺いました!

実は、大人になってから矯正が必要になることも?
今回は、大人の歯列矯正について、歯科医師で医療法人メディスタイル理事長の徳永先生に伺いました。

大人になってからも歯並びは変わる?気になったときはどうすればいいの??

歯と骨の間には薄い歯根膜(しこんまく)があり、そのおかげで歯は一生涯、動くことができます。つまり、歳を重ねても歯列矯正は可能です。
しかしながら、細胞の再生能力(骨の再生など)や免疫力(むし歯や歯周病などの抵抗力)を考えると、矯正を開始するなら若い方が望ましいです。
それに、歯列矯正後の人生は、そのメリットをずっと享受できるので、早く始めた方がお得ですよね。歯並びが整うことで、見た目が若返ることも!

歯は、咬み合う相手を探して、伸びてきたり、前に動いたりします。
そのため、大人になると、前歯のガタガタが強くなったり、重なりが大きくなったり、歯の傾きが強くなったりすることがあります。
つまり、大人になってから歯並びがさらに悪くなることは珍しくありません。
その場合、それは今後も更に進むと予想されます。
歯並びやかみ合わせが気になったら、早めに一度歯科医にご相談ください。

ここが大変!大人の歯列矯正

実際に矯正を開始しようとすると、いくつか気を付けなければいけない点があります。
・治療している歯がある
歯を治療すると天然歯と形が変わっていたり、咬み合わせが動いていたりして、元の状態が分かりにくいことがあります。
また、歯を抜いてしまっている場合、インプラントも必要となり複雑な歯列矯正になります。
・むし歯・歯周病リスクが上がる
年齢と共に口の免疫力も下がってきます。歯はキレイに並んでも、むし歯や歯周病になっていると、結局のところ、歯はダメになってしまいます。
・矯正器具を付けると、見た目が気になる
前歯に目立つ矯正器具が付いていると、歯が見えることを嫌い、笑顔がつくりにくくなるなど、気にされる方は特に女性に多い傾向があります。
マスクをする場面が多い最近は、歯列矯正を始めるいいチャンスと言えるでしょう。
実際に、歯列矯正を希望される方は増えています。
どうしても気になるという方は、矯正器具を見えにくい裏側に装着することで、見た目への影響を軽減することもできます。
また、裏側矯正だけでなく、マウスピース矯正も進化しているので、見えにくい矯正が身近になっています。
・歯肉の隙間ができやすい
再生能力が下がってくることもあり、歯と歯の間の歯間乳頭(しかんにゅうとう)と呼ばれる歯肉がなくなり、隙間ができることがあります。
その場合は、歯の修復で改善することもあります。
・骨格が変わらない
成長期を過ぎると骨格は変化しにくいので、抜歯が必要であったり、顎関節症のリスクが高まったりします。
歯根が短くなるなど、他にも予期せぬトラブルリスクも上がります。
・癖が強い
舌を前に出す癖、咬み方の癖、食いしばりなどがあると、歯が動きにくいことがあります。
その場合は、癖の改善から始めなくてはなりません。
口の機能訓練を同時に行なっていくと良いでしょう。

次回は、矯正の実症例を紹介します。悩まれている方、必見です。

[執筆者]

徳永淳二先生
医療法人メディスタイル理事長

[プロフィール]
東京医科歯科大学大学院地域・福祉口腔機能管理学修了。
画家の母を持ち、芸術に親しみながら医学を学び歯科医師となる。
気候変動や環境問題への関心が深く、元気で明るい未来には、アートと医学の融合が必要だと信じて活動をしている。
医療法人メディスタイルの理事長として、神奈川県で逗子メディスタイルクリニックを運営、地域のみなさんの“美しく健康な生活”を医学の力でサポートすることを目指す。

医療法人メディスタイルホームページ
https://medi-style.jp/

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