突然の訃報で葬儀に参列。大人のたしなみとして知っておきたい葬儀マナーについて教えていただきました。

突然の訃報を受け、お通夜や葬儀に参列することになっても、慌てることなく対応できるように、大人のたしなみとしてお通夜や葬儀のマナーは知っておきたいですよね。
今回は押さえておきたい葬儀マナーについて、いばそう企画有限会社の代表取締役である林三弘さまにお話を伺いました。

年齢を重ねると葬儀に一般会葬者として親族として参列する機会が多くなるように思います。子どもの頃は親について行って焼香の仕方も見よう見まねで出来ましたが、大人になるとそういう訳にはいきません。
大人の作法でスマートに執り行いましょう。
また、ルールやマナーは常識にとらわれるより「どうしたら相手が不快にならないのか、相手が困らないのか?」と故人や遺族を思うことが大切です。
古くからのルールは令和の時代に当てはまらない事もあるので、細かい作法を忘れてしまったときは、故人や遺族を思いながら常識の範囲内でおこなえば大丈夫です。
心がこもっているかが一番の供養になります。
以下に記載する内容も、一般的にいわれているものの一例です。
葬儀へ参加するときに迷うことがあれば、参考にしてください。

訃報を受けたとき

一般的に葬儀が発生したときには、訃報などで知る場合と遺族などから直接知らされる場合があると思います。
親族などから直接知らされる場合には驚きなどがありますが、なるべくお悔やみの言葉などを伝えるように心がけましょう。
例としては『お悔やみの言葉申し上げます。ご愁傷様でございます』。
これが正解ここまで言うことができれば良いですが、現在ではどんどん簡略化され、『お悔やみ申し上げます』や『ご愁傷様です』に変わりました。
哀悼の意を伝え、ご遺族の気持ちを慮った対応を。
くれぐれも死因を尋ねるようなことはしないようにして、お通夜や葬儀の日程の確認などに留めましょう。

葬儀の際のマナー:服装について


告別式に着ていく服装は当然喪服となりますが、通夜までは平服で構いません。
ただし、派手なアクセサリーやネクタイなどを外すことをお勧めします。
マスクは黒でも白でも青でも構いません。
ネックレスや華美な指輪は外しましょう。
結婚指輪は大丈夫です。
真珠のネックレスや指輪イヤリングは身に付けても問題ありません。
ストッキングもラメ入り柄入りを避けた30デニール以下の黒であれば問題はありません。靴については、華美な装飾が付いたものを避けるのはもちろんですが、基本的には仏教では革靴はご法度とされております。
動物の殺生を考えると、牛革や豚皮などの皮革製品を忌み嫌う場合があります。
しかし、最近ではヘビやワニなど、生きている姿がイメージされやすいものやスエードでなければ、革靴も大丈夫と考えられています。

弔問や葬儀の際のマナー:香典について

最近は、大規模な葬儀は減り、遺族中心の葬儀が増えています。
そのため、一般の方の参列はお断りだったり、もしくは人数制限や流れ焼香のような通夜、告別式前に焼香だけして解散したりといった葬儀が多くありましたので、参列が可能か会場に確認したほうが良いでしょう。
当日は会場に時間前に行き、お香典を受付に渡します。
お香典は名前・住所・金額を薄墨で記入し、お金は裏返し肖像画が裏になるように入れます。
薄墨にする理由は、涙で墨が薄くなることを表しているといわれています。
お金を裏返しに入れるのも悔やみ事は、全て逆にして、自分自身にお悔やみ事が来ないようにするためや、顔を伏せることで故人を悼む気持ちを表しているといわれております。
お札を裏返す以外にも、葬儀では通常とは反対にするものがいくつかあります。
逆水(普通とは逆に、水に湯をさしてつくるお湯のことで、死者の湯灌に用いられる)や・逆さ屏風(故人の枕元に屏風を逆さにして立てかけること)などがあります。
着物を左前に着せるなどは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

お焼香の方法について

まずは会場に着いたら受付の方にお香典を渡して「お悔やみ申し上げます」と言いましょう。
最近は会場内では受付業務には葬儀社のスタッフが代行している場合が多いので、受付が遺族ではない場合は割愛しても良いでしょう。
お焼香するときは、遺族親族にはご挨拶をし、ご住職や宗教者に一礼をしてから、お焼香をします。
お焼香する回数は宗派によって違うので、わからない場合は、後方より住職がする焼香の作法を見て回数を確認するのも良いかもしれません。
わからない場合は心を込めて1回だけで結構です。

葬儀でやってはいけないこと

葬儀会場では、久しぶりに友人や知人に会うことがあるので、どうしても昔話に花が咲き、大きな笑い声が出てしまっている方を見かけることがあります。
もちろん、和やかな雰囲気の中、笑い声に包まれて見送りたいと考えたり、葬儀をきっかけに人の縁が再びつながることを喜ばれる遺族もいらっしゃいます。
葬儀だからといって、笑いが厳禁というわけではありませんが、葬儀場では故人との思い出話や懐かしいエピソードやお互いの近況報告程度に留め、会話に興じ過ぎないよう気を付けましょう。

マナーをいろいろ考えてしまうかもしれませんが、大切なのは個人や遺族に対する気持ちです。
突然の訃報を受けても、気持ちをしっかり持って対応しましょう。

執筆者

林 三弘
いばそう企画有限会社 代表取締役 
花想舎CEO
全日本葬祭業協同組合連合会 茨城中央葬祭業協同組合 理事長
葬儀100年会 会長
日立市十王商工会副会長・日立市法人会青年部 理事
日立法人会常任理事(令和5年1月1日現在)

いばそうでは故人や喪主、ご遺族に寄り添った葬儀や、さまざまな規模でおこなわれる社葬など、誠意をもってお別れの場を提供。
全国各地で40回以上の葬儀セミナー・講話・講師もつとめている。
また、茨城県・全日本葬祭業協同組合連合会・茨城中央葬祭業協同組合で三者協定を、日立市・古河市・土浦市とも災害協定を締結。
災害時にも皆さまのお役に立てる葬儀会社としての重要な役割を担いながら、日立市内の専門葬儀社ナンバーワンとして日々邁進している。

いばそう企画有限会社
https://ibasou.co.jp/

関連記事一覧