マスク熱中症に気をつけて!水分を摂る以外の熱中症対策は?

マスクを着けて過ごす時間も長くなるため、『マスク熱中症』という言葉も生まれ、例年より熱中症のリスクが高くなっていると考えられます。
熱中症を予防するために気を付けることは?
熱中症が起こるとどうなる?
今回は、多くの人に知ってもらいたい、熱中症についてお話しします。

水分を失うとどうなる?


私たちのからだは、平熱を保つために汗をかきます。
汗を大量にかくと、体内の水分やミネラル(ナトリウムなど)が失われ脱水症状を起こします。
そして熱の産生と熱の放散のバランスが崩れ、体温が急上昇し、こむら返りや失神などのさまざまな症状が起こりますが、このような状態を熱中症といいます。
体が水分を失っても問題がないのは2%までだといわれています。
※体重が50kgの人の場合、1ℓ
2%を超えるとのどの渇きを感じ、運動能力が低下し始めます。

水分減少率が10%を超えると、死に至ることもあります。
もちろん、水分を摂取することがいちばん大切ですが、文字通り、『水』だけ飲んでいると自発的脱水と呼ばれる状態に陥ってしまうことも!
汗と一緒にさまざまな塩分などのミネラルを失っているにもかかわらず、水だけを補給していると、体内のナトリウム濃度は下がったままになります。
ナトリウム濃度を戻そうと、体は汗や尿として水分を放出させます。
このように、水分だけを補給していると体液が薄くなり、脱水症状が進んでしまうのです。
脱水症状の対策に水分と塩分などのミネラルをきちんと摂取することは、とても大切なのです。
熱中症には脱水症が潜むといわれ、脱水症対策は熱中症対策でもあります。
まずは適切な水分補給を心がけましょう!

熱中症かも? と思ったら『FIRE』


自分自身や周囲の人の熱中症が疑われるときは、何をすればよいでしょうか。
熱中症が疑われる際にとるべき基本の対応は、「FIRE」といわれていますが、これは4つの単語の頭文字を組み合わせたもの。
この機会にぜひ覚えてください!

F:Fluid→適切な水分補給

常温の経口補水液がベスト。
一気に飲み干すのではなく、少しずつ飲むようにしましょう。
気管に入ってしまう恐れがあるので、意識がはっきりしないときに無理に飲ませるのは止めましょう。
また、吐き気があるようなときは無理に飲ませず、医療機関を受診してください。

I:Icing→体を冷やす

首の付け根、わきの下、太ももの内側など、太い血管が通っている場所を氷嚢などで冷やしましょう。
衣服や身に着けているベルトやネクタイなどを緩め、うちわで扇ぐなどしてください。
この時、水をかけてから扇ぐと効果的です。

R:Rest→安静にする

可能であればクーラーの効いている室内など、涼しい場所へ移動します。
屋外にいるときは木陰など、直射日光の当たらない場所で休みます。

E:Emergency→救急搬送(119番)

意識がない・もしくはもうろうとしている、自力での水分補給が困難、症状の改善が見られないときは救急車の手配を。
付き添う方は、現場での状況や気温、運動の強度や時間などを救急隊員に説明できるようにしておきましょう。
FIREはこの順番で対応するものではなく、複合的におこないます。
まずは意識の状態を確認し、異変があるときは速やかにE:Emergency→救急搬送(119番)をおこないましょう!

熱中症は、適切な初期対応が命を救うためにとても重要です。
あなた自身や大切な人の命を守るためにも。
この夏は、FIREを忘れずに!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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