手足の乾燥対策はバリア機能と血流がポイント。原因とケア方法を知ってしっとり肌に!

春先は肌トラブルが起こりやすい季節。
手足の乾燥に悩んでいる方はいませんか?
今回は、株式会社Jのセラピストである内田優子さまにお話を伺いました。

乾燥ケアに大事なこととは?

寒暖差や空気の乾燥、エアコンの使用、そして日常的な家事や仕事の影響で、手や足の乾燥に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
特に手と足は乾燥しやすい部位ですが、実は、乾燥の原因は気温や湿度だけではありません。
手足の乾燥を防ぐためには、「バリア機能の低下を防ぐケア」と「血流を改善するケア」の両方が必要です。さらに、生活習慣の見直し「体の内側からのケア」も大切になります。

バリア機能が低下すると、肌は無防備に・・・

バリア機能とは、肌が本来持っている外部刺激から守る力のこと。
この機能が低下すると、紫外線や花粉、化学物質などの刺激が直接肌に影響を与えやすくなります。
また、肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥がさらに進んでしまいます。

<バリア機能が低下する主な原因>
・間違ったスキンケア(洗浄のしすぎ・強い成分の使用)
・紫外線ダメージ(セラミドの減少)
・加齢による皮脂・セラミドの減少
・寒暖差や乾燥した空気(水分蒸発の増加)

特に、手は頻繁に洗うことでバリア機能が損なわれやすく、足は角質が厚くなりがちなため、どちらも乾燥しやすいパーツです。

血流の低下も乾燥の原因に

血流が悪くなることも肌の乾燥に大きく影響します。
血流が悪いと肌細胞に十分な酸素や栄養が届かず、ターンオーバーが乱れるため、うるおいを保持する機能が低下します。

<血流が悪化する原因>
・冷え性や運動不足 → 末端の血流が滞りやすく、肌に必要な栄養が届きにくい
・ストレスや睡眠不足 → 自律神経が乱れ、血管が収縮しやすくなる

次に、それぞれの具体的な対策を詳しく紹介します。

バリア機能の低下を防ぐケア

1.洗いすぎ・刺激を減らす
【手洗いのポイント】
・殺菌ハンドソープではなく、アミノ酸系の優しい石鹸や洗顔料を使用する
・お湯ではなく ぬるま湯(30~35℃)で洗う
・洗った後は 優しくタオルで押さえるように拭く(ゴシゴシこすらない)
【足のケアのポイント】
・強いスクラブやゴシゴシ洗いはNG!
・石鹸をよく泡立て、優しく洗う
・乾燥がひどい時は、湯船にエプソムソルトや重曹を入れて肌を柔らかくする

2.保湿でバリア機能を強化する
お風呂上がり&手洗い後すぐにクリームを塗り、塗った後、手袋・靴下を着用して浸透を促します(化学繊維は肌を乾燥させるので、綿100%がおすすめ)。
【ハンド&フットクリームを選ぶポイント】
・セラミド・シアバター・ワセリン・ホホバオイル配合のものを選ぶ
・乾燥タイプの方は、尿素入りクリームで角質を柔らかく
・炎症タイプ(ひび割れ・あかぎれ)の方は、グリチルリチン酸配合の薬用クリームで炎症を抑える

血流を良くして肌の再生を促す

血流を改善するためには、湯船に浸かる・温かい飲み物を摂るなど、体を温める習慣を持ちましょう。
ウォーキングなどの適度な運動やストレッチで血流を促し、肌の再生力を高めることも大切です。
【簡単ハンドマッサージ(ハンドクリームを塗りながら)】
・指先を1本ずつ根元から指先に向かって軽くつまむ
・手のひらの中央(労宮のツボ)を押して血行促進
・手首をぐるぐる回す
【フットマッサージ&ストレッチ】
・足首を回して、ふくらはぎをさすって血流を促す
・足裏の湧泉(ゆうせん)のツボを押して冷え改善
・つま先立ちや足の指をグーパー運動して足先の血流をアップ

生活習慣の改善で内側から肌を守る

食べ物は肌のバリア機能や血流に大きく影響します。
食生活を見直し、乾燥を防ぐ栄養を意識しましょう。
【肌のバリア機能を高める食材】
・セラミドを増やす食材(こんにゃく・黒豆・小麦胚芽・米ぬか)を積極的に摂る
・ビタミンA・C・Eを含む食材(にんじん・レモン・ナッツ類など)で肌の修復力を高める
・良質な油(オメガ3系脂肪酸・ナッツ類)で皮脂バリアを守る

乾燥を悪化させる食べ物は控えましょう!
糖分の過剰摂取で肌のハリが低下し、冷たい飲み物や食べ物は血流を悪化させるといわれています。
お菓子やジュースの摂りすぎに注意し、できるだけ温かい食事を摂りましょう。
また、「質の良い睡眠」をとることも乾燥肌には重要です。
寝ている間に肌が再生するため、規則正しい生活とリラックスすることが必要です。
また、ストレスは肌に悪影響を与えるため、心身ともにリラックスできる時間を持つことが乾燥肌改善に繋がります。

まとめ

手足の乾燥を防ぐには、毎日のちょっとしたケアがしっとりうるおう手足をつくります!
「老いは手に現れる」と言われるほど、手はその人の年齢を映し出す部分です。
特に冬から春にかけては手荒れしやすい季節なので、しっかりとケアをして若々しく綺麗な手をつくりましょう。

[著者]
内田優子

セラピスト/ホルバールスクール認定講師

教育大学卒業後、福祉職を経て美容業界へ転身。
福祉と美容の視点から本質的な美を追求し、オールハンド技術と最新美容を融合させた施術を提供している。
解剖学に基づく技術指導や専門知識の普及にも努め、ホルバールスクール認定講師として後進の育成にも携わる。
持続可能な美しさを提案し、心と身体の調和を大切にしたケアを通じて、一人ひとりに寄り添う美容を実践している。

株式会社J
https://j-bbiz.com/

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