歯周病かなと思った時のセルフケア ~歯医者さんのデンタルレッスン 3限目~

口の中がねばねばする、歯を磨いたら出血する、すこし口の中が臭う。
こういった症状にさまざまな原因が考えられるので、早期に歯科医院で診察してもらうことがベストですが、なかなか難しいことも多いです。

今回は、日本人成人(30〜64歳)の約8割が罹っている(厚生労働省・歯科疾患実態調査より)といわれている歯周病について、セルフケア方法や歯周病の治療についてご紹介したいと思います。

 

歯周病のセルフケアには正しい歯磨き習慣とケアのタイミングが大切!

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歯周病は、silent diseaseといわれるほど痛みがなく静かに進行します。歯周病は初期の段階ではほとんど自覚症状がないのが特徴で、重症化して歯がぐらつきはじめてから気づくことも多く、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうケースも多くみられます。
本来であれば、口腔内に気になる症状があれば早期に歯科医院に相談してほしいところですが、難しい場合もあると思います。

そんな時のセルフケアとしておすすめしたいのが、やはり歯磨き習慣
「歯磨きはしています」という方も多いのですが、実際は磨いていたとしても歯垢が取れていない場合が多いと治療の現場で感じます。
その理由は、鏡を見ながらブラシの当て方をチェックしてみるとよく分かります。しっかりと毛先が歯や歯と歯茎の境目に当たっていなくて、磨いているつもりで満足してしまっている状態が多いのではないでしょうか。
まずは毛先が確実に磨きたい場所に当たっていることが一番肝心です。
また、歯ブラシ以外に歯間ブラシ、デンタルフロスを併用することがとても良いと考えます。正直言いまして、歯ブラシだけでは汚れは除去しきれないです。
患者さまから、「どちらを使った方がいいですか?」という質問をよく受けますが、答えは「両方」です。
歯間ブラシは歯の隙間が狭すぎるところには適していませんが、細いサイズのブラシでスムーズに入る部分はぜひおこなっていただきたいです。歯茎の適度なマッサージ効果も見込めます。
デンタルフロスに関しては、歯と歯と接する部分の汚れをとるという目的と、歯と歯茎の隙間のわずかな部分を掃除することができるので大変有効です。
またセルフケアの時間帯としては、やはり就寝前が一番効果的です。
就寝中は唾液の流量が減り、細菌の増殖が多いので、寝る前に口の中の細菌を減らしておきたいことが理由です。
また起床後も効果が大きいです。
いくら就寝前によく磨いたとしても、磨き残しは必ずどこかにあるので、細菌数は増えています。それを物理的に減らす意味で起床後すぐの歯磨きもおすすめです。
また、「食事の後すぐに磨いた方がいいですか?」という質問もよく受けます。歯みがきを習慣づけるという意味では良いかもしれませんが、歯周病という観点でいえば、すぐ磨く必要はなく、食間で磨ける時に磨いていただければよくて、特に就寝前と起床後にしっかりケアしていただければと考えます。
むし歯予防という観点からは、食後すぐは口腔内の酸性度が増しているので、磨くと歯が削れやすいので「食後30分以上経過したうえで歯磨きをしてくださいね」とお伝えする場面も近年では増えているように思います。
唾液には口腔内のpH緩衝能があるので、食後のpHが低く(酸性に)なっていてもだいたい30分でpHが戻るといわれています。

 

歯周病の治療方法や受診の目安は!?

Photo Taken In Aachen, Germany

「歯周病ですね、治療しましょう」と言われて、さてどんな治療がおこなわれるのか、またどれぐらいの期間がかかるのか、分かりにくいと思います。
実際はその程度により治療の方法や期間は大きく変わります。
歯周病の治療はシンプルで、歯の側面についた歯石、歯垢、また歯面の不良組織を徹底して除去することです。
よく耳にされると思いますが、歯周ポケットの深さが浅ければ簡単な処置で取り切れますが、歯周ポケットが深いと処置方法が変わってきますし、段階を追って取るので期間も長くなります。
軽度の場合は、1,2か月もあれば治療は終了してメンテナンスに移りますが、中程度の場合は数か月以上かかる場合もあります。また重度の場合は、抜歯に至ることも多いため、抜歯後に抜いた歯の間をブリッジや義歯、インプラントで補うところまでを完了するとなると、長い方で1年近くかかることも珍しくありません。
各歯によっての重症度も異なるため、口腔内に気になる症状があれば、早期に歯科医院で的確に診断をしてもらい、お口の中全体としての治療計画を立案してもらうことが、最も良いと思います。
(おのデンタルクリニック医院長 小野 智弘)

おの先生
小野 智弘おのデンタルクリニック医院長・歯科医師・臨床歯学博士・歯周病専門医(日本歯周病学会)
九州大学歯学部大学院卒業後、勤務医を経て2014年5月におのデンタルクリニックを開業。 愛知県では約50名ほどしかいない歯周病専門医として、出来る限り歯の保存を目指した治療を実施。日本歯周病学会にてポスター発表をおこなうなど、歯周病研究にも積極的に取り組んでいる。歯周治療、保存・予防歯科治療以外にも一般歯科治療も充実。義歯・被せもの・歯の色など歯の相談も気軽にできるようにWEBでもおこなっている。 丁寧な診察とカウンセリングが定評な地元でも人気の歯科医。
おのデンタルクリニックホームページ
http://www.onodentalnagoya.com/

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