いわしの缶詰でもOK!DHA・EPA・ビタミンDが摂れるミラクル食材で美肌を目指そう!
日本人にとってとても身近な魚であるイワシ。
カタクチイワシやウルメイワシなど種類はいろいろとありますが、マイワシは初夏に旬を迎えます。
農林水産省によると、マイワシの漁獲量は平成27年には約30万トンでしたが、令和元年には50万トンを超え、それに伴い価格も年々安価になっています。
何かと物が値上がりしている昨今、美味しい魚が年々手頃になっているなんて、とても嬉しいですよね!
今回は、栄養豊富でコスパ抜群なイワシの魅力について、お話しします。
栄養豊富! 庶民の味方、イワシ
イワシには、さまざまな栄養が含まれています。
中でも最初にお伝えしたいのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコペンタエン酸)といったオメガ3系脂肪酸です。
両成分には、中性脂肪やコレステロール値を下げる、認知機能の改善など、さまざまな効果あるといわれ、現代に生きる私たちにとって、イワシはしっかり食べておきたい食材といえます。
魚を食べると頭が良くなるといわれることも多いですが、その理由のひとつが魚に含まれるDHAにあります。
海馬のDHAレベルを上げることで、記憶細胞間の伝達が活発になり、記憶力が高まるとの報告がされています(出典:Appl Physiol Nutr Metab. 2012 Oct;37(5):880-7)。
さまざまなことを学び、吸収しながら成長していく子どもたちにも、イワシはぴったりの食材です。
もうひとつ、イワシにはコロナ禍で混乱する現代にこそ、積極的に取りたい栄養素が豊富に含まれています。
それは、ビタミンD。
ビタミンDの免疫機能に与える影響が最近注目を集めており、コロナウイルスやインフルエンザウイルスへの罹患率を下げたり、重症化から保護するなどの研究結果も報告されています。
※出典:Nature Reviews Endocrinology volume 7, pages73–75(2011) 4.
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.08.20058578v3
昔から魚をたくさん食べていたため、私たち日本人は、あまりビタミンDの不足は心配されていませんでしたが、食生活の欧米化の影響もあり、厚生労働省がおこなった平成30年の国民健康・栄養調査によると、成人のビタミンDの平均摂取量は7.0㎍と推奨量(8.5㎍)には1.5㎍不足しています。
また、若い世代ほど魚を食べる量が少ないため、摂取量が少ない傾向があります。
若い人にも、たくさんイワシを食べていただきたいですね。
意外! イワシは美肌の味方?!
皮膚や粘膜の健康を保つのに重要とされるビオチンを、イワシは豊富に含んでいます。
アトピー性皮膚炎の患者はビオチンが不足しているとの報告もあり、その効果に注目が集まっています。
美肌に良い食べ物というと、ビタミンCを豊富に含んだフルーツや、抗酸化物質が豊富な緑黄色野菜などを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、イワシはビオチンと良質なたんぱく質を含む、肌に良い食材です。
イワシは下処理が大変であまり気が進まない……と思われる方には、缶詰の利用がおすすめ。
甘露煮やショウガ煮、オイルサーディンなど、イワシの缶詰や瓶詰は日本のものから海外のものまで種類も豊富なので、お好みのものを探してみましょう!
イワシの骨はさまざまな貝塚からも発見されており、縄文時代にはすでに身近な食材だったと考えられています。
あまりに身近すぎるせいか庶民の食べ物とされ、平安時代には貴族が食べると「卑しい」とされる時期もあったそうです。
しかし、百人一首にも選ばれている歌人、和泉式部はイワシが大好物で、夫の留守中にこっそり食べていたという逸話が残されているそう。
帰ってきた夫にバレて問いただされると、和泉式部は見事な歌で返答。
これには夫も降参し、「和泉式部の肌がキレイなのは、イワシを食べているからだね」と返したとか。
和泉式部は才色兼備な女性として有名で、恋多き女性としても知られています。
頭が良く、美しかったといわれる和泉式部ですが、イワシも一役買っているかもしれませんね。
また、魚は健康に良いといわれる食べ物ですが、大型魚類や深海魚などは、食物連鎖によって起こる、有害なメチル水銀の蓄積が懸念され、マグロ類やサメ類について、厚生労働省は妊婦の方に食べる量について注意喚起をおこなっています。
その点、食物連鎖において下位とされるイワシは、食べる量を心配する必要なくいただけます。
カシコイとキレイの両立と、もちろん健康のためにも。
私たちも、もっともっとイワシを食べましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]