今日の夕飯は「ナス」にしない?ナスのポリフェノール、ナスニンで秋も「キレイ」を目指しましょう!
『秋茄子は嫁に食わすな』
なんていうことわざが有名なナス。
これは、「体を冷やす効果があるとされるナスをおいしいからと食べ過ぎて、お嫁さんが体を冷やさないように」という姑の優しさから生まれたという説と、「こんなにおいしいナスを嫁に食べさせるなんてもったいない」という姑のいじわるからという説の二説があるそうです。
個人的には前者が由来だといいなと思いますが、要はそれほどこれから時期のナスはおいしいということ。
今回は、ナスについてお話しします。
ナスに栄養がないってホント?
ナスといえば、あまり栄養がないと思われがち。
確かに、野菜によく含まれているビタミンやミネラルは、あまり含まれておりません。
しかし、カリウムだけは可食部100g中220mgと豊富。
何とカリウムの含有量ではキュウリやタマネギ、トマトといった野菜を凌ぎます。
カリウムは、体内のナトリウムバランスを調整する働きがあるので、塩分を摂るときにはカリウムを含む食材も一緒に摂るようにしたいですね
カリウムは通常の食事をしていれば不足が起こりにくいと考えられていますが、尿と一緒に排出されやすい成分なので、コーヒーやお茶といった利尿採用が高いものをよく摂られる方は、意識的に摂取しましょう。
また、ナスは体積の割にはカロリーが100gでおよそ22kcalと少ないのもポイント。
1本がだいたい70~100gなので、2本食べても40kcal程度にしかなりません。
「お腹いっぱい食べたいけれど、カロリーが気になる」という時には、ナスを大いに利用しましょう!
ただ、ナスは油を吸いやすいので、ダイエット中の方は調理の際には気を付けたいところ。
揚げナスは美味しいですが、油を少な目に炒め、蒸すようにして火を通すなどの工夫により、ナスが吸う油の量を抑えることができます。
また、ナスそのものにはくせが少ないため、和・洋・中なんにでも合うのも魅力。
どんな味付けや素材にも合うナスは、調理する側にとっても便利な存在。
特においしくなる旬の時期には、冷蔵庫に常備しておきたい食材です。
ナスのポリフェノール、ナスニンって知ってる?
ナスニンとは、その名前の通りナスに含まれるポリフェノールの一種で、ナスの美しい紫色の元になっている色素、アントシアニンの仲間です。
ナスニンは高い抗酸化能を有す美容と健康の強い味方であり、動脈硬化の予防やコレステロール値の抑制効果なども報告されています。
アントシアニンというと、ブルーベリーを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、割と高価な果物であるブルーベリーよりも、ナスの方が手軽に、そして継続してアントシアニンを摂取できるのではないでしょうか?
ナスニンは皮に多く含まれる成分なので、ナスニンの栄養効果を得たいときには、ナスの皮は剥かずにいただくようにしましょう。
ナスに含まれるクロロゲン酸とは?
もうひとつ、忘れてはならない成分がクロロゲン酸です。
ナスを切ってしばらく置いておくと、断面が茶色になってしまうことがあると思いますが、この原因となっているのがクロロゲン酸です。
クロロゲン酸は、最近コーヒーに含まれるポリフェノールとして注目を集めている成分。
糖の吸収を穏やかにすることや、脂肪燃焼の効果があるとされ、さまざまな製品に利用されているので、目にしたことがあるという方もいるかもしれません。
そんな今人気の成分がナスに含まれているなんて、ちょっと驚きですね。
ですが、クロロゲン酸はナスのあく抜きをすると流出してしまいます。
ナスを水に晒してあく抜きをする場合は極力時間を短くするか、カットした後すぐ調理を開始するようにしてあく抜きそのものをやめるかして、クロロゲン酸の流出をなるべく防ぐようにしたいですね。
さっと少量のオイルで和えておくと、褐変を防ぐ効果があるのでおすすめです。
そのまま炒めることもできるので、油の使用量を抑えることもできますよ。
とっても身近な野菜のナスですが、実は魅力たっぷりの野菜なのです。
みなさんも、いろんな調理でナスの魅力を楽しんでくださいね!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]