すぐに受診ができない!歯科トラブル別対処法「こんな時はどうしたらいい?」を徳永先生に伺いました!
年末年始を楽しく過ごすために、日頃からしっかりお口のケアをして急なトラブルが起こらないようなお口の環境づくりをしていきたいですよね。
今回は、トラブル時の対応について歯科医師で医療法人メディスタイル理事長の徳永先生に伺いました。
冬に歯が痛むのなぜ?
冬の寒い中、無意識に歯を食いしばり寒さに耐えていると、顎の筋肉が常に緊張状態になって、食いしばってしまうことがあります。
それが知覚過敏の原因になることも。
冬の乾燥+マスク生活で、お口が乾く
マスクをしていると、苦しくなり、口呼吸をしがちになっています。本来、鼻で息を吸ったり吐いたりするのですが、口呼吸をすると口に空気が出入りして、口の水分を奪ってしまいます。マスク生活のストレスが唾液が減ってしまう原因となることもあります。
ネバネバした唾液よりもサラサラした唾液の方が自浄作用が高いといわれているのですが、口が乾くと口の中がネバネバしてきます。
舌を動かす体操をしたり、よく噛んで食べるようにしたり、唾液の分泌を促進する効果のある食べ物を食事に取り入れたりすると効果的ですね。
お口に潤いを!!
すぐ受診できないときに起こってしまった、こんな歯科トラブル・・・どうする?
•歯がズキズキする・痛む
虫歯や歯周病が進行したり、歯にヒビが入ったり、折れていたりすることにより、炎症が起こり痛みが出る場合は、できるだけ痛む部分で噛まないようにして清潔に保ち刺激を与えないようにしましょう。
単にしみるという症状より、ズキズキと痛むときの方が深刻なことが多いです。
つらい時は、痛み止めを飲んでください。
早めに歯科医院の受診をおすすめします。
•歯がしみる
一般的に、冷たいものより熱いものがしみる方が深刻です。その後、ズキズキして寝れない程の痛みに変わっていくこともあります。
(冷たいものが)しみる→(熱いものが)しみる→ズキズキ→顔が腫れる
放っておくと進行してしまうことが多いので、早めに対処したいですね。
•詰め物や被せ物がとれた、穴が空いた
詰め物や被せ物がとれた部分は清潔にして、できるだけその部分で噛まないようにしましょう。とれた被せ物は無くさないようにしてください。状態によっては、そのまま装着できる場合があります。
接着剤などを使って、自分で元に戻そうとは絶対にしないでくださいね。咬み合わせが変わってしまったり、誤って飲み込んでしまったりする危険があります。
穴が空いてしまったところには、可能ならキャップをした方が良いです。症状が良くなることが多いです。薬局で、リキャップ用の粘土のようなものを購入できます。
痛みや腫れがある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診してください。
•仮歯がとれた
痛くても痛くなくても、仮歯は早急に付け直した方が良いです。どのくらい早急かといいますと、出来れば取れた当日に付け直した方が良いです。
仮歯には、噛み合わせを維持したり、歯肉のバランスを整えたりと、とても重要な役割があります。仮歯を取れたままにしておくと、治療のやり直しが必要になってきます。たかが仮歯と侮ってはいけませんよ。
治療のステップとして、大きな役割を果たしています。
なるべく早めに受診しましょう。
•入れ歯がこわれた
壊れた入れ歯が使えることもありますが、壊れた場所にもよりますので、自己判断は厳禁。基本的に、壊れている入れ歯は使わないでください。
お口の中を傷つけたり、かけらを飲み込んでしまったりする危険があります。ご自分で接着剤などを使って修理するとズレることが多いので避けてください。
すぐに歯科医院に行けない場合は、柔らかいものを食べるなどし、食べ物が喉に詰まらないように気をつけましょう。
食事ができなくなると体力も落ちます。その場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
•歯や口を怪我した
転んで歯をぶつけたりして出血したり、歯が折れた、抜けたなど起こった時は、先ず歯科医院に行くまでの間に焦らず応急処置をしましょう。折れたり抜けたりした歯は、保存液で保存してください。
応急処置に関しての詳細は、日本歯科医師会8020パーク『歯の外傷応急処置の基本』にまとめられるものがありますのでご参考になさってください。
出血が止まらない場合は、外科的な救急処置が必要なことがあります。すぐに総合病院などの救急外来を受診してください。
かかりつけ歯科医がいる場合は、急性症状が落ち着いてから受診すると良いです。
歯の形態や歯並び、噛み合わせなどの元の状態を知っていれば、元通りに治しやすいと思います。
【年末年始、夜間の救急外来について】
休日急療診療所は、休日の急な痛みやお口トラブルが起こった場合に応急的な外来診療を行う施設です。日曜、祝日、年末年始など多くの医療機関が休診の際にご利用いただけます。
お住まいの地域により診療日や内容、注意事項などが異なります。
それぞれの地域の歯科医師会ホームページを確認するようにしましょう。例えば下記のような所があります。お住まいの地域で探す参考にしてください。
<例>
横浜市歯科医師会 横浜市歯科保健医療センター
東京都歯科医師会 東京都保健医療センター
出血が止まらないなどの体全体に関わる救急処置が必要な場合は、総合病院の救急外来を受診してください。
基本的に、放っておくとひどくなることが多いため、早めに歯科医院を受診しましょう。
年末年始に美味しい物を楽しく食べられるように日頃から歯科医院でメインテナンスを受けることは、とても重要です。
メインテナンスを受けているかどうかで、歯の寿命は大きく変わってきますよ。心配事も減ります。日頃、歯が綺麗だなと感じる人は、たいてい歯のメインテナンスを受けています。
また、キレイな歯や歯ぐきを維持するためには、自宅での歯磨き習慣なども大事になってきます。体全体のメインテナンスと同じですね。
あなたの輝く笑顔は歯から。新しい年は、輝く笑顔で迎えましょう。
新しい年が、あなたにとってよい良い一年になることを願っております。
[執筆者]
徳永淳二先生
医療法人メディスタイル理事長
[プロフィール]
東京医科歯科大学大学院地域・福祉口腔機能管理学修了。
画家の母を持ち、芸術に親しみながら医学を学び歯科医師となる。
気候変動や環境問題への関心が深く、元気で明るい未来には、アートと医学の融合が必要だと信じて活動をしている。
医療法人メディスタイルの理事長として、神奈川県で逗子メディスタイルクリニックを運営、地域のみなさんの“美しく健康な生活”を医学の力でサポートすることを目指す。
医療法人メディスタイルホームページ
https://medi-style.jp/