眠っている間に熱中症!?睡眠中の熱中症とその対策について、なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長の中澤先生に伺いました!

地球温暖化どころか、地球沸騰化などといわれる今年…これだけ気温が高いと、気になるのが熱中症ですよね。
熱中症対策をされている方は多いと思いますが、実は油断しがちな夜間、眠っている間にもリスクがあるってご存知ですか?
今回は、睡眠中の熱中症とその対策について、なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長の中澤佑介先生にお話を伺いました。

暑い夏が訪れると、私たちの健康にとって新たなリスクが生じます。
特に睡眠中の熱中症は、我々が意識しがちな屋外活動だけでなく、家庭内での安全にも注意が必要な問題です。
本記事では、睡眠中の熱中症について詳しく解説し、予防策を共有します。

熱中症とは何か?

熱中症は、体内の熱調節メカニズムがうまく機能せず、体温が異常に上昇する状態です。
暑い環境での活動や長時間の日射しにさらされることが主な原因とされていますが、実は睡眠中にも熱中症は起こり得ます。
熱中症は、脱水や電解質のバランスの乱れにより、体内の重要な臓器に悪影響を及ぼす可能性があります。

睡眠中の熱中症のリスク

夜間の気温が高いことの多い今夏であっても、「(エアコンの風は)体に悪いのでは?」「電気代が心配」などの理由で、エアコンを使用しないで寝ることがあるかもしれません。
しかし、これは睡眠中の熱中症のリスクを高める可能性があります。
体温の調節がうまくいかない場合、体内温度が上昇して熱中症につながることがあります。
また、寝汗をかくことにより、水分と電解質が失われ、脱水症状が進行することも考えられます。

熱中症の症状と警戒サイン

熱中症の初期症状は、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感などです。
これらの症状が現れた場合、適切な措置を講じることが重要です。
特に、次のような症状が出た場合は、迅速な対応が必要です。

意識の混濁や錯乱
高体温(38度以上)
ひどい嘔吐や下痢
皮膚の乾燥や脱水

これらの症状が現れたら、すぐに医療専門家に相談してください。

睡眠中の熱中症を予防する方法


適切な室温の確保: 寝る前に部屋を涼しくし、エアコンや扇風機を活用して快適な環境を作りましょう。
適度な水分摂取: 就寝前に適切な量の水を摂ることで、寝汗による脱水を予防しましょう。
適切な寝具: 寝具は軽くて通気性の良いものを選び、余分な熱を逃がしやすくしましょう。
涼しい服装: 薄手の寝衣を選んで、過度な保温を避けましょう。
冷却方法の活用: 必要に応じて、冷たいシャワーを浴びることや、冷却タオルを使用することで体温を下げることができます。

夜間頻尿のリスク

暑い夏には、寝ている間でも汗をかくことがあります。
これにより、体内の水分が失われて脱水状態に陥る可能性があります。
そのため、多くの人々が夜間に水分を摂ることを心掛けています。
しかし、夜間に過剰な水分を摂ると、夜間頻尿が引き起こされることがあります。
そのため、眠る1時間前までに水分を摂ることを勧めます。
※過剰に飲水しても血液の粘度に影響しないという報告もあり、水分補給においては「こまめに少しずつ飲む」といった対応を勧めます。
夜間頻尿は、睡眠の質を低下させ、疲労感や不快感を引き起こす可能性があります。
また、寝不足になることで免疫力の低下や集中力の低下にもつながります。
さらに、夜間頻尿によって何度もトイレに起きることで、睡眠中の熱調節が妨げられ、熱中症のリスクが高まることも考えられます。

まとめ

暑い夏には、睡眠中の熱中症にも注意が必要です。
体温調節メカニズムが効かなくなることで、身体に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、適切な予防策を講じることが大切です。
熱中症の症状や警戒サインに気を付けつつ、涼しい環境づくりと適切な水分摂取を心がけて、安全で快適な夏を過ごしましょう。

執筆者

中澤佑介(なかざわ・ゆうすけ)先生
金沢医科大学医学部医学科卒業。
「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。
2023年6月、JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック(Gran Clinic)を開院。

なかざわ腎泌尿器科クリニック
https://www.nakazawa-cl.jp/

関連記事一覧