[2]知りたい!二日酔いにならないお酒の選び方やアルコールが体に及ぼす影響について船越先生にお伺いしました。

お酒が好きな人ほど気になるのがアルコールの体への影響ですよね。
お酒は体にいいの? 健康への影響は??
今回はアルコールの体への影響や二日酔い対策などについて、まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 院長の船越 真木子先生にお話を伺いました。

お酒は体に良い、それとも悪い?

アルコールの摂取は、適量であれば健康によいと考えられています。
例えば、適度なアルコール摂取は心血管疾患のリスクを低減するといわれています。
また、赤ワインに含まれる抗酸化物質が心臓病予防に役立つと考えられています。
当然、過剰なアルコール摂取は逆効果です。
過剰なアルコール摂取は、肝臓疾患、高血圧、消化器疾患など多くの健康問題を引き起こす原因となります。
また、アルコールには依存症を引き起こすリスクもあり、個人の生活習慣や健康状態によっては禁酒が必要なこともあります。
もともと1日あたり日本酒2合相当までの飲酒が適量とされていました。
しかし、最近増えている大腸がんや糖尿病は日本酒1合以上でリスクが高まるというデータが出ています。
日本酒1合はビールなら大瓶1本(633ml)、ワイングラス2杯程度です。
よく居酒屋さんで頼む「とりあえず生中」は350ml程度、2杯でオーバーですね。
とくに体格の小さい女性は、より少ない量でセーブするようにしてください、

悪酔いしないためのおつまみやお酒の選び方はある?

悪酔いを避けるためには、おつまみの選び方とお酒の種類の選択も重要です。
アルコールを飲む際には、脂質が多い食品やタンパク質を含むおつまみを選ぶことが望ましいといわれています。
例えば、お肉、魚介類、豆腐などの高タンパクなおつまみは、胃の中でアルコールの吸収を遅らせ、血中アルコール濃度の急上昇を防ぐことができます。
また、悪酔いしないためにはお酒の選び方にも注意が必要です。
高アルコール度数の飲料よりも、アルコール度数が低いビールやワインを選ぶことで悪酔いする可能性は低くなります。
さらに、アルコールを飲むペースも大切であり、急いで飲むのではなく、時間をかけて楽しむことがポイントです。
飲む前の水分補給も忘れずに行い、アルコールの影響を軽減させましょう。

二日酔いを防ぐには?

二日酔いを防ぐためには、アルコール摂取を適量にとどめる工夫が大切です。
アルコールを飲む際には、水やノンアルコール飲料で水分を適宜補給し、脱水状態を防ぐことも二日酔いにならないための工夫となります。
バーに行ったらチェイサー(水)は必ずお願いするようにしてください。
また、飲酒前にはしっかりと食事をとることも大切です。
空腹状態での飲酒を避けることで二日酔いのリスクが低下します。
二日酔いになってしまった場合には、水分と電解質の補給が重要となります。
そのため、電解質を多く含むスポーツドリンクやみそ汁などを摂取することが有効です。
二日酔いになった際には、無理をすることなく休息を取ってくださいね。

気の置けない仲間とお酒を楽しむ時間はとても貴重なものですが、無理な飲み方をすると、取り返しのつかないことになってしまうことも。
自身の体のためにも、節度を守って楽しみましょう。
そして、心身の不調を感じたら、早めに医師に相談することも大切です。

[執筆者]

船越真木子(ふなこし・まきこ)先生
まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック院長

略歴
2005年神戸大学医学部卒。
その後、基幹病院や京都大学医学部附属病院の勤務を経て、2021年に「まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック」(京都市伏見区)を開院。
がん死の第一位である大腸がん、第二位である胃がんを早期発見するため、苦痛の少ない高精度な内視鏡検査を提供している。
ミッションは『人生を最高に楽しめる体と心を支える』。
総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。

まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック
https://www.makikoclinic.com/

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