虫歯になりやすい人となりにくい人に違いはあるの?麻布十番駅前歯科クリニック院長の吉田先生に伺いました!
虫歯になりやすい人となりにくい人に違いはあるの?
今回は、麻布十番駅前歯科クリニック院長の吉田麻莉絵先生に、虫歯の原因やケアについてお話を伺いました。
歯磨きをがんばれば虫歯にならない…は間違いだった?!
歯磨きをしてるのにどうして虫歯になるの?
歯磨きをがんばっているつもりなのにすぐ虫歯になってしまう。
歯医者さんに行くたびに虫歯が見つかり、しっかり歯磨きをしてくださいねと怒られてしまう。磨いているつもりなのに・・・
家族の中で自分だけ虫歯になりやすい。
皆さんはこんな経験ありませんか。
歯医者さんで
『虫歯にならないように歯磨きをがんばりましょうね』
と指導されること、実は間違っています。
虫歯の出来やすさは人によって違います。
『ちゃんと歯磨きを頑張りましょうね』
と同じ内容の説明を患者さん全員にしている歯医者さんは、考え方が少し古いといえるかもしれません。
虫歯になる=歯磨きができていない、だけではないのです!
虫歯のできるとき、口の中では何が起こってる??
虫歯ができる原因は以下の4つの因子で構成されています。
(1)細菌(虫歯の原因菌)
(2)宿主(患者さん自身の抵抗力や歯質の強さ)
(3)糖質(細菌の栄養となるもの)
(4)時間(歯が虫歯になる環境にどれだけさらされるか)
お口の中には数千億~数兆個の細菌が住んでいると言われています。
お口の中に細菌の餌となる糖質が入ってくると、細菌がそれを分解し歯を溶かす酸を作り始めます。
長い間この酸にさらされると、やがて歯の表面が溶け始めます(脱灰)。
歯が溶けるとはいっても、糖質を摂ってもすぐに虫歯になるわけではありません。唾液などには溶けかけた歯の成分を補修する(再石灰化)成分が含まれているため、お口の中では脱灰と再石灰化が繰り返し起こっています。
ところが再石灰化が追いつかず、脱灰が進んでしまうと虫歯になってしまいます。
歯磨きをしていても、虫歯になりやすいのはこんな人!
歯磨きをしっかりがんばっていても虫歯になりやすい人は、
脱灰が起こりやすい食生活をしている
唾液中の細菌数が多い
唾液が少なく再石灰化が起きにくくなっている
など、1つではなく様々な原因が考えられます。歯医者さんで検査を行うことで、虫歯のリスクの高さや、なぜ自分が虫歯になりやすいのか、どれくらいの確率で虫歯になってしまうのか、またそれに対してどのような対策をするべきか、などを明確に調べられるようになってきました。
歯医者さんで歯磨き指導だけをしてもらう時代は終わり、唾液検査や細菌検査、食事指導など患者さん一人一人に合ったオーダーメイドの予防歯科を行う時代に変わりつつあります。
歯医者さんが行っている検査や治療などはホームページなどで確認することができるので、気になる方はぜひ新しい時代の予防歯科を体験されてみてはいかがでしょうか。
当院でも唾液検査、細菌検査、歯周病検査、食事指導、血液検査、唾液を使ったがん検診など新しい分野の検査を取り入れています。
気になる方やお悩みを相談したい方はぜひかかりつけ医にご相談してみてください。
執筆者
吉田麻莉絵先生
麻布十番駅前歯科クリニック院長
[経歴]
北海道大学歯学部卒業。
都内大型医療法人で勤務し研鑽を積む。
特に江東区内医療法人では院長を勤め、一般歯科診療だけでなく全顎的審美治療・インプラント手術なども担当。
長年、院長として多数の症例をこなしながら後輩歯科医師の教育も行ってきた。
これまで多くの勉強会・セミナーに参加し、海外の大学病院でインプラント手術の執刀医も経験。
麻布十番駅前クリニックでは院長として、患者の「こうしたい」という思いをカタチにするよう、日々邁進している。
麻布十番駅前歯科クリニック
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