骨盤は締めればいい、は間違い?? 現代女性へのアドバイス

キレイの賢人、ボディワークプロデューサーであるkyo先生に、キレイのヒミツをインタビュー。
第3回目の今回は、さまざまな悩みを抱える現代女性へのアドバイスをいただきたいと思います!

ボディワークプロデューサー kyo
1983年幼児体操から大人の健康づくりの体育指導をスタート。 2001年フィットネス業界にて骨盤を中心に全身を整えるプログラムをスタートし、2005年ビューティ・ペルヴィス®と命名したオリジナルメソッドをスタジオヨギーにて展開。同時に賛同する認定者を全国に輩出し、指導者の育成・教育に努める。2015年5月 現代人の体にマッチしたプログラムを日本から発信する事を目指す「b-i STYLE」をオープン。現在レギュラークラスのほか、b-i stylistの養成、公認b-i stylistの育成を行う。多数の講演・@cosme公認@ビューティスト エバンジェリストとして活躍中。

-人種や風土によって体は変わるということですが、便利なものが増え、生活が変わったことによる変化も影響を与えていますか?

生活の仕方が変わり、体の使い方が変わると、私たちの体にももちろん大きく影響します。
いちばん変化が大きかった時代は昭和でしょう、激動でしたね。
人間の体の変調に大きな影響を与えた、扇風機・エアコンが発明された時代です。
これらが使われるようになると、だんだん体が熱を放出して調整し、元に戻すという「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」が衰えて、使えなくなってきてしまうんです。
自分で調整しなくても、周りの環境の方が快適で合ってくれているから。
赤ちゃんのときからエアコンがあるのが当たり前で育った現代人は、汗腺の働きが弱くなっていると思いますね。
そのせいか、今の子どもたちは、熱中症になりやすくなっていると感じます。
近代化・デジタル化と、短期間にめまぐるしく周囲の環境が変わっていく中で、現代人の体はそれについていけない状態なのではないでしょうか。
テレビやスマホ、PCが当たり前になり、目だけを酷使して、体はほとんど動かさないという現在の生活を送るというのは、人類の歴史からみれば始まったばかりの新時代。
体の機能を新たな時代に合わせ調整できないでいると、これからの変化についていけず、不調を感じる方が増えてしまうでしょう。

-弊室がおこなっているアンケートからも、最近は若い女性であっても不定愁訴というか、さまざまな悩みを抱えている方が増えているのがわかります。

そうですね。
若い女性も、冷えや肩こり、腰痛といった悩みを抱えている方はとても多いです。
中でも、若い女性の悩みが多いのは、生理痛や生理不順、PMSといった生殖器に関わるもの。
まだ若いため、全身の老化を体感するまでには至っていなくても、骨盤が歪んで起こる不調は、その骨盤の中にある生殖器に現れやすいんです。
このメソッドを若い女性におこなうと「生理痛が無くなった」という実感を得られる方がいちばん多いですね。
最近は、生理関係の悩みが余りに多いせいか、男性がいても結構平気で「生理痛がひどいんで休みます~」って言えてしまえる方が増えていて、驚いたことがあります。
彼女たちにとっては、「生理痛」というものが、あって当たり前になってしまっているんですね。
日本女性って、昔は着物が日常で生理の時は経血をコントロールしていたそうです。
下着の概念が違っていましたでしょう。まして当時は高機能な生理用ナプキンなんてないですから、経血を子宮内にためて膣をコントロール、トイレで排泄するということが出来ていたのです。これが妊娠出産に向けたトレーニングにもなっていたと考えられています。
普段から拭き掃除をして、炊事も洗濯も足腰を使った全身運動でしたし、日々の生活の中で骨盤底筋を使っていたので筋肉もすごく弾力があったはずです。
今はナプキンがあるので、ほぼ垂れ流し状態で、骨盤底筋を締めるといった動作ができない・わからないという方もいます。
そのため、最近は若い女性でも尿漏れに悩む方が多いのです。
こういう話をすると、「骨盤底筋を鍛えなきゃいけない」と考えてしまいがちですよね。
そのようなことを推奨するメディアも多いです。
大切なのは力をつけるだけではなく、弾力なんです。
締めるだけでも緩めるだけでもダメで、そのバランスが重要なんですね。

-ダイエットなどにいいと、骨盤を締める体操なんかもよくメディアで目にしますが、ダメなんでしょうか?

骨盤を締めれば痩せると思っている方、産後にベルトやガードルでがちがちに締めている方は確かに多いですが、骨盤は締めるだけでは絶対にダメ。
骨盤のゆがみをなおす=締めるというのは間違いなんです。
骨盤って、季節によっても、生理周期の間でも、1日の中でも開くべき時と締まるべき時があって、しなやかさと弾力のある筋肉によって、本来自然なサイクルで繊細に動いています。
自然の流れに沿っていれば、骨盤が締まりっぱなしというのはとても不自然な状態だと分かると思います。
それなのに「締める」ことばかりに気をやると、どうなるでしょうか?
状況に応じて、開閉がおこなわれ、しなやかさと弾力を持ち合わせた状態にしておくことが、骨盤にとって最も大切なのです。
便利なものに囲まれた現代は、快適に過ごせる恵まれた環境かもしれませんが、骨盤のバランスが崩れやすい環境でもあります。
だからといって昔の生活に戻りましょう、というわけありません。
「骨盤のバランスは崩れやすい」ということを忘れずに、骨盤を本来あるべきバランスのとれた状態に戻し、しなやかな美しさを保ち続ける努力を怠らないようにしましょう。
骨盤を整えることで、しなやかな体と本来持つあなたの美しさをきっと取り戻すことができますよ!

骨盤の調整が、キレイと健康にとって、とても重要なものだということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。次回からは、その骨盤調整のメソッド実践編として、どなたでも取り組みやすく続けやすい体のメンテナンス方法を教えていただきたいと思いますので、ご期待ください!

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