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はったい粉って何?現代人に不足しがちな栄養素が豊富!料理にも取り入れやすい注目の食材です。

「はったい粉」って知っていますか?
落雁にも用いられるので、茶道をたしなまれる方はご存知でしょう。
大麦や裸麦を焙煎してつくられているため、「麦焦がし」とも呼ばれる「はったい粉」。
現代人に不足しがちな栄養素を含むことから、最近注目されつつあります。
今回は「はったい粉」についてお話ししたいと思います!

お通じが悪いときにおすすめ! 食物繊維の豊富さ

「便秘気味」「お腹が張る」「スッキリ出ない」
こういう悩みを抱えている女性は多いですよね。
こんな時に、はったい粉はおすすめです。

食物繊維の総量も、薄力粉の6倍以上、精白米の12倍以上と穀類の中でもトップクラスの含有量。
さらに、ごぼうやこんにゃくといった、食物繊維が豊富な食材よりも多く含まれていることがわかります。
そして一番のポイントは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方ともしっかり含まれていること。
実は、2種類の食物繊維は体内での役割が異なるのです。
腸の蠕動運動を活発にしたり、消化管内で水分を抱え込んで、便のかさを増し、排せつを促す不溶性タイプ。
小腸での糖などの消化吸収を抑えたり、有害物質を吸着して体外へ運んだりといった働きを持つ水溶性タイプ。
どちらも体に重要ですが、はったい粉にはその両方がしっかりと含まれています。
炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンに加え、『第6の栄養素』といわれる食物繊維。
日本人男性(18~64歳)の一日の摂取推奨量は21g、女性(18~64歳)で18gになっています(出典:日本人の食事摂取基準(2020年版))。
ところが、成人男性の摂取量は15.4g、成人女性の摂取量は14.7gとそれぞれ6gほど不足しているのが現状です(出典:平成27年国民健康・栄養調査結果の概要)。
日ごろの食物繊維不足にはったい粉を活用してみてはいかがでしょうか?

食物繊維だけじゃない! 豊富なミネラルも魅力

食物繊維が豊富なことはもちろん魅力ですが、はったい粉のポテンシャルはそれだけではありません。
同じ穀類の薄力粉の含有量を100%として比較してみると(グラフに記載の数値は実際の含有量)、全てのミネラルが多く含まれていることが分かります。
中でも、塩分過多な人がしっかり摂りたいカリウムは4倍以上、貧血気味の方はぜひ摂りたい鉄分は6倍以上、さまざまな酵素の生成に利用される亜鉛は12倍以上……と、現代人にとって不足が気になるミネラルが豊富なのです。

その高い栄養価と、焙煎して粉末状にしてあることから消化が良いとされ、離乳食用の食材としても人気が高くなっているそうです。

どうやって取り入れる? はったい粉の利用方法


栄養価の高いはったい粉。
どうやって料理したらいいのでしょうか?
なじみのない粉類は使い切れるかが心配で、手が出しにくいという方もいらっしゃるかと思います。
ですが、実ははったい粉はすでに焙煎されてから粉状になっているため、調理しなくてもそのまま食べることができる、取り入れやすい食材なのです。
何かに振りかけたり、ドリンクに混ぜたりして簡単に楽しむことができます。
香ばしい風味が楽しめるので、牛乳やスムージーといったドリンクに混ぜる、もしくはスープやみそ汁といった汁物に混ぜる、というのが誰でもすぐに始められるもっとも手軽な利用方法ではないでしょうか。
もちろん、いろいろなレシピにも活用できます。
おすすめは、小麦粉を使う料理の5~20%程度をはったい粉に置き換えてみる方法。
お好み焼きやたこ焼きといったいわゆる粉もんの料理や、パンやクッキー・パウンドケーキなどをつくる際、一部を置き換えてみるだけで、ぐっとそのメニューの栄養価がUPします。
もちろん、昔ながらの方法で、砂糖やひとつまみの塩と混ぜ、熱湯(お好みで茶や牛乳でも)を加えながら練って、団子状にして食べてもOKです。
こちらはダイエット中のおやつや軽食にもおすすめ!

はったい粉は古くは安土桃山時代から食されていたとされ、徳川家康の好物だったともいわれています。
原料である大麦の食歴はとても長く、ギリシャやローマでは紀元前から食べられてきたそう。
大麦は、近年その栄養価が見直され、もち麦や押し麦(大麦の一種)をご飯に混ぜて炊いたり、大麦を利用したシリアルが流行したりと、注目を集める食材。
昭和には、
「貧乏人は麦を食え」
との言葉が注目されたこともありますが、令和のいまは
「栄養とりたきゃ麦を食え」
といえそうです。
炊かなくても調理しなくても食べられる大麦、はったい粉。
スーパーや通販で簡単に手に入るので、繊維やミネラル不足を感じたときは、いつものメニューにさっと一振りしてみてはいかがでしょうか?

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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