【抗酸化2】活性酸素と日々戦う私たちの体!活性酸素の種類について教えます。

前回は、酸素の毒性と活性酸素についてお話をしましたが、今回は活性酸素についてさらに詳しく説明したいと思います。

活性酸素の種類


一般的に、活性酸素(ROS:Reactive Oxygen Species)と呼ばれるものには主に4種類あります。

一重項酸素
三重項酸素に光や熱のエネルギーが加えられたときに発生する不安定な状態の酸素です。紫外線が当たると、皮膚中で発生することが分かっており、シミやシワなど様々な肌トラブルの原因となります。

スーパーオキサイドアニオンラジカル(super oxide anion radical)
略してスーパーオキサイド(superoxide:スーパーオキシド、超酸化物とも呼ばれる)と呼ばれる活性酸素です。白血球が体内に侵入した細菌等を攻撃する際に発生させるなど、生体の防御機構に関与しています(活性酸素も悪いばかりではありません)が、必要以上に産生されると細胞を傷つけることも。スーパーオキサイドは、体内の抗酸化酵素SODによって、過酸化水素と水に分解されます。

過酸化水素
消毒にも利用されるほど、殺菌効果が高い活性酸素です。活性酸素としての反応力は強くはありませんが、他の活性酸素よりも寿命が長く、体内に存在する金属と反応して、ヒドロキシラジカルという強力な活性酸素に変化してしまうのが特徴です。

ヒドロキシラジカル(hydroxyl radical)
活性酸素のなかでは反応性・酸化力ともに最も強く(スーパーオキサイドの100倍の酸化力を有しています!)、あまりにも早く反応してしまうため、観察が難しいほどです。糖質やたんぱく質や脂質などあらゆる物質と反応し、過酸化脂質などをつくり出す、大変危険な活性酸素です。

活性酸素と同じくらい危険?! フリーラジカルとは?

いくつかの活性酸素の名前についている「ラジカル」とは、対(ペア・相手)を持たない電子(不対電子)を持つ原子や分子などのことを指し、遊離基やフリーラジカルと呼ばれる事もあります。
通常、電子は対になることで安定していますが、不対電子を持つ(対がいない状態になる)と、他から電子を奪う(攻撃する)ことで対となり、安定しようとするため、不安定で反応性が高くなってしまうのです。

フリーラジカルには、上記2つの他にも、脂質ラジカルや過酸化脂質ラジカルなど、油の中に存在するものなど、たくさんの種類があります。
厳密にいうと活性酸素ではありませんが、フリーラジカルであるため反応性が高く、周囲の細胞に攻撃を仕掛ける、厄介な相手です。
フリーラジカルは、他から電子を奪う性質があるため、奪われた側が今度は電子が足りない、フリーラジカルとなり、また違う細胞に反応し、ダメージを与える・・・ということを繰り返してしまいます。
この一連の動きを、連鎖的脂質過酸化反応といいます。
私たちの体内で、ダメージが連鎖反応的に与えられていると考えると、少し怖くなってしまいますね。

体内では、抗酸化能VS活性酸素でバトル中?!

もちろん、私たちの体も活性酸素やフリーラジカルの攻撃を甘んじて受けているだけではありません。
細胞内にはDNAなど、傷つけられるわけにはいかない、大切なものがたくさんあるのです。

体の中で働く力!抗酸化能
私たちには活性酸素に対抗する能力=抗酸化能が備わっています。
スーパーオキサイドを代謝するSOD(Super Oxide Dismutase)、過酸化水素を取り除くカタラーゼ(catalase)やグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)などの抗酸化酵素がその代表です。
これは、酸素と共に生きることを選んだ、私たちの体に元から備わっている機能です。
私たちの体は、日々活性酸素と戦っているのです!

外から摂ろう!抗酸化物質
活性酸素には、抗酸化能の高い食物を摂ることによって、対抗することもできます。
最も有名なものはビタミンCやEなどのビタミン類、そして最近はポリフェノールやカテキンなどに代表される、フィトケミカルもしくはファイトケミカル(phytochemical:phyto=植物、chemical=化学物質)と呼ばれる植物由来の化学物質にも、活性酸素に対抗する力があることが分かっています。

では、皮膚や身体が酸化してしまうと、実際にはどのようなことが起きるのでしょうか?
また、酸化を食い止めるために、私たちにできることはあるのでしょうか?
気になるところは多いですが、次回、身体における酸化の影響について、身体が酸化するとどんなことが起こるのか、詳しくお話をしたいと思います。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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