【後編】姿勢の悪さが影響してるって本当!?肩こりや腰痛の多角的なアプローチについて伺いました。

悩む方の多い肩こりや腰痛。
肩をもんでも、腰をさすっても、あまり改善しない…と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は肩こりや腰痛にケアの多角的なアプローチについて、治療院「R&-ランド-」のプレミアム治療家として活躍される齋藤彰裕先生にお話を伺いました。

姿勢と肩こりや腰痛の関係

肩こりや腰痛にも大きく関係のある姿勢についてお話ししたいと思います。
腹筋が弱かったり、胃腸や骨盤内の内臓が重くなり下垂することで、ぽっこりお腹になっていきます。
また骨盤は後ろに倒れる形、骨盤後傾となります。
すると土台である骨盤が後ろに傾くので、その上にある腰そして背中が後ろに曲がっていき、バランスをとる為に首や頭が前にでる姿勢になります。
バランスが安定してとれる部分を重心といいますが、本来骨盤にある重心の真上に、腰や背中といった体幹の重心と頭の重心が載っていると身体は安定します。
しかしポッコリお腹になっている人は腰や背中が後ろに、頭では前に重心がある為バランスが安定しません。
そのため腰周りや首周りの筋肉が常に緊張して支え、逆にお腹の筋肉は力が入らず支えにならなくなります。
こういった重心というバランスをとる為の緊張や下垂する内臓の重さを支える緊張が合わさり、腰や肩、首の筋肉に負担がかかることが腰痛や肩こりに繋がります。
これらのことが、姿勢が肩こりや腰痛に大きく関わる理由です。
また寒くなると、身体のバランスを支える筋肉がより緊張し、肩をすくめる動作などは内臓を押し下げる力になります。
このことが、寒さにより腰痛や肩こりの症状が増すことに繋がる要因の1つです。

肩こりや腰痛の改善には腸を意識して

内臓下垂などが原因となる肩こりや腰痛は、ただ肩や腰だけを対象としたアプローチのみをしても効果が低いです。
それは、根本へのアプローチが不十分だからです。
自分のできる方法で多角的にアプローチしてみましょう。
注目すべきは腸です。
食生活を見直すことで腸の働きを整えることも、大切なアプローチのひとつとなります。
腸の働きのために、発酵食品を意識して摂取することをおすすめします。
外食やスーパーなどでお弁当やお惣菜を買って食べることが多い方などは、例えばお味噌汁だけでもつくって食べる、納豆やぬか漬け、キムチなどの発酵食品を追加することもいいと思います。
ヨーグルトやチーズなどもおすすめです。
また、普段使う醤油や味噌などもより良いものにしてみるのもいいでしょう。
日々の変化が積み重ねとなります。

座り方も重要!椅子に座るときも正しい姿勢を心がけて

最近は、正しく座ることについてアプローチされていることも多いです。
実は、姿勢と口腔・内臓下垂の関係は深く、正しい姿勢でいることは、大人ももちろん子どもの歯並びなどにもとても大切です。
そこでも指導されていることですが、椅子に正しく座ろうとするにはまず足元からです。
足をプラプラさせていたり、組んでいたりすると地面からの押し返す力を受けることができず、ねじれたり下垂を助長することになります。
椅子には浅く座り、足をなるべく閉じ足先を真っ直ぐにして、足をしっかり地面につけるようにします。
そうすると足をプラプラさせていたり、足先を開いているよりお腹も支えられ後傾している骨盤も前に立ちやすくなります。
そして骨盤を立たせるように座ります。
立たせにくい場合は、お尻に半分に折った座布団などをくさびのように挟むと立たせやすいのでお試しください。
こうして座ることで意識せずに座るより、内臓があがった状態となります。
食事をするときも、内臓をあげた状態ですることで胃腸の消化機能もより向上も期待できます。
また、長時間のデスクワークの方に肩こりや腰痛も多くなる傾向があります。普段からこういった内臓を意識した座り方を心がけてみるといいでしょう。

自律神経を整えることも大切

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、互いに相反する役割を担っており、時と場合によってバランスを取りながら働いています。
集中したり、緊張したり、活動的な状態となると交感神経が優位になりなります。
反対に安静にしているときやリラックスしているときは、副交感神経が優位になります。
通常、副交感神経が有意になると消化運動が活発となりますが、胃腸の機能が低下しているときは交感神経(緊張やストレスを感じたときに活発化する)が優位になっており、消化不良などの原因となります。
このようなときは、軽い散歩程度のウオーキングなどをおこない、適度に胃腸を刺激すると、自律神経のバランスが整いやすくなります。
また、テレビやスマホの光は交感神経を刺激することにもなります。
眠る前にはスマホなどを見ない方が良いと聞いたことがある方もいると思いますが、食事をする際も見ながらするのは控えましょう。

肩こりや腰痛は、症状を改善するという視点だと肩や腰だけに意識が向いてしまいます。
しかし、身体の質を改善すると考えると、姿勢や食生活、運動習慣などさまざまな視点からアプローチすることができます。
誰かに変えてもらうのではなく、自分で変えていく。
まずは、自分の身体に向き合うきっかけと捉えて実践していただけたらと思います。

[執筆者]

齋藤 彰裕 先生
柔道整復師(国家資格)取得

柔道整復師として、宝塚医療大学での講師、同大学治療院での施術経験を経て現在は 大阪の堺筋本町で『整復サロンTSUNAGI』を運営。
「人生を薔薇色に変える整復の魔術師」として、人のあるべき姿に戻すべく、優しくかつ的確に全身を手当てし、多くの方の機能美の再現を目指した施術をおこなう。
過去には医療大学で講師をした実績もあり、解剖学・生理学・物理学に基づいた丁寧な説明で、感性と理屈の両方の視点を重視している。
元気な人をより元気にするを理念に、全国各地へ出張整復や講座などを開催しつつ、治療院「R&-ランド-」(治療院RAND)(東京都品川区)のプレミアム治療家としても活動中。

治療院「R&-ランド-」(治療院RAND)
運営:株式会社アッティ
   代表取締役CEO梁燦久(リャンチャング)
https://rand.atti-daihyo.com/

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